たばこTobacco
日本の顔ぶれ
- 日本たばこ産業連結子会社225社・持分法適用会社20社。たばこ事業(売上収益の95.3%)と加工食品事業(4.6%)の2つ。1985年に日本専売公社を引き継いで設立され、1994年に上場した。2025年12月に医薬事業を塩野義製薬へ譲渡している。アメリカではフィリップ・モリス・インターナショナル
アメリカの対応企業
フィリップ・モリス・インターナショナルPM
Philip Morris International Inc.
4つの地域部門に分かれる。売上高406億48百万ドル・売上高営業利益率36.6%。2008年にアルトリア・グループから分離し、米国では紙巻たばこを売っていない。自己資本は5期ともマイナス。
- 売上高6.5兆円
- 純利益1.8兆円
- 時価総額46.8兆円
- 株価187.15USD
- 掲載企業内シェア100.0%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- 日本たばこ産業
カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。
日米の構造の違い
この業界だけ、日本側が1社しかいない
当サイトの業界ページは、日本側を2社または3社置いています。このページだけが1社です。
日本の上場企業で、たばこを製造・販売しているのは日本たばこ産業だけだからです。同社は1985年に日本専売公社を引き継いで設立された会社で、1994年に上場しました。
米国側もフィリップ・モリス・インターナショナル1社で、この業界は1対1の対応表になります。当サイトはこうした偏りを、数を揃えるために埋めることはしません。
正面から競合する組み合わせが、ここにはある
当サイトの業界ページでは「◎(正面から競合)が1件も無い」と書くことが少なくありません。小売も通信もそうでした。この業界には1件あります。
- 日本たばこ産業 — 130以上の国と地域でたばこ製品を売る。10-Kにあたる有価証券報告書に「世界で業界3位以内に入る規模(中国国家煙草総公司を除く)」と記載する
- フィリップ・モリス・インターナショナル — およそ100の市場で15%以上の市場シェアを持つと10-Kに記載する。紙巻たばこの市場シェアは25.3%(中国と米国を除く市場)
どちらも世界規模でたばこを製造・販売し、同じ市場で競っています。 探して見つかるのではなく、探すまでもなく重なる組み合わせです。
規模と利益率は、フィリップ・モリス・インターナショナルが上
- 売上高 — フィリップ・モリス・インターナショナル406億48百万ドル(約6兆5,129億円)、日本たばこ産業3兆4,676億円。およそ1.9倍
- 売上高営業利益率 — フィリップ・モリス・インターナショナル36.6%、日本たばこ産業25.0%
- 営業利益 — フィリップ・モリス・インターナショナル148億92百万ドル(約2兆3,861億円)、日本たばこ産業8,670億円。およそ2.8倍
日本たばこ産業には加工食品事業(売上収益の4.6%・利益率5.4%)がありますが、たばこ事業だけで見ても利益率は28.8%で、フィリップ・モリス・インターナショナルの36.6%には届きません。
米国市場での立場が、正反対になっている
米国の会社で、マールボロという世界的なブランドを持っています。それでもフィリップ・モリス・インターナショナルは、米国で紙巻たばこを売っていません。
2008年にアルトリア・グループから分離し、米国内の紙巻たばこ事業はアルトリア側に残りました。そのため同社が示す市場シェアの定義には「中国と米国を除く」という条件が付きます。米国で売っているのは、主にニコチンパウチ(ZYN)やかぎたばこです。
日本たばこ産業は逆に動いています。 同社は2024年10月に米国のVector Group Ltd.の発行済株式を取得し、米国の紙巻たばこ市場に入りました。
米国の会社が米国の紙巻たばこから出ていき、日本の会社が入ってきたという形です。
部門の切り方は、どちらも地域
2社とも、たばこの事業を製品ではなく地域で切って見せています。
- フィリップ・モリス・インターナショナル — 欧州(42.1%)、南アジア・東南アジア・CIS・中東アフリカ(29.6%)、東アジア・オーストラリア・免税(16.3%)、南北アメリカ(11.9%)の4部門
- 日本たばこ産業 — たばこ事業の中を「クラスター別」に3区分。EMA(49.8%)、Asia(27.1%)、Western Europe(23.1%)
どちらも日本単独の金額を開示していません。 日本はフィリップ・モリス・インターナショナルでは「東アジア・オーストラリア・免税」に、日本たばこ産業では「Asia」に含まれます。そのため当サイトは、日本市場でどちらが大きいかを数字で示していません。
財務の形は対照的
- フィリップ・モリス・インターナショナル — 自己資本が5期ともマイナス(2025年12月期でマイナス99億94百万ドル)。ROEと自己資本比率は分母がマイナスになるため、当サイトは図に描いていません
- 日本たばこ産業 — 親会社所有者帰属持分比率48.5%。5期とも45%を超えています
同じ業界で同じように高い利益率を出しながら、貸借対照表の姿はまったく違います。
カナダの訴訟が、両社に効いている
たばこ会社の決算を読むときに避けて通れないのが訴訟です。この2社ではカナダが共通して出てきます。
- 日本たばこ産業 — 2024年12月期にカナダ訴訟関連損失3,756億36百万円を計上しました。税引前利益が前期比63.9%減になった主な理由です。2025年12月期には逆に、和解金に係る負債の再測定益528億83百万円が入っています
- フィリップ・モリス・インターナショナル — 2026年4〜6月期に、RBH(カナダ)への出資について5億11百万ドルの非現金の減損を計上しました。売上高と営業利益が増えた四半期に、当期純利益だけが7.3%減った理由です
金額の桁も時期も違いますが、どちらも本業の外側で利益が動いています。
よくある質問
日本たばこ産業のアメリカ版はどこですか?
フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)です。★★★当サイトの業界ページの中で、これほど素直に対応する組み合わせは多くありません。どちらも世界規模でたばこを製造・販売し、同じ市場で競っています。★規模はフィリップ・モリス・インターナショナルが約1.9倍(売上高406億48百万ドル対売上収益3兆4,676億円)、利益率も上です(36.6%対25.0%)。★★ただし米国での立場は逆で、フィリップ・モリス・インターナショナルは米国で紙巻たばこを売っていません。
日本側が1社しかいないのはなぜですか?
日本の上場企業で、たばこを製造・販売しているのが日本たばこ産業だけだからです。★同社は1985年に日本専売公社を引き継いで設立され、1994年に上場しました。★★当サイトの他の業界ページは日本側を2社または3社置いていますが、このページだけが1社です。数を揃えるために、たばこを作っていない会社を並べることはしません。★米国側もフィリップ・モリス・インターナショナル1社で、この業界は1対1の対応表になります。
マールボロは日本でも売っていますが、どちらの会社のものですか?
日本で売られているマールボロは、フィリップ・モリス・インターナショナルのものです。★★ただし米国内のマールボロはアルトリア・グループが売っています。同じブランドで、売っている会社が国によって違います。★フィリップ・モリス・インターナショナルは2008年にアルトリア・グループから分離し、米国内の紙巻たばこ事業はアルトリア側に残りました。★フィリップ・モリス・インターナショナルの紙巻たばこの市場シェア25.3%のうち、マールボロだけで10.7%を占めます(中国と米国を除く市場での販売数量に占める比率・会社の定義)。★★アルトリア・グループは当サイトに載っていません。
日本市場ではどちらが大きいのですか?
当サイトは数字で示していません。両社とも日本単独の金額を開示していないためです。★日本は、フィリップ・モリス・インターナショナルでは「東アジア・オーストラリア・免税」部門(売上高66億32百万ドル・連結の16.3%)に、日本たばこ産業では「Asia」クラスター(8,642億23百万円・自社たばこ製品売上収益の27.1%)に含まれます。どちらも日本以外の国を多く含む区分です。★★フィリップ・モリス・インターナショナルの10-Kには、シェア15%以上の市場を列挙した箇所に日本が挙がっており、市場シェアの定義にも「日本のリトルシガーを含む」という但し書きが付いています。日本市場が定義に名指しで現れる数少ない箇所です。
加熱式たばこはどちらが強いのですか?
当サイトは比べていません。両社の開示の物差しが違うためです。★フィリップ・モリス・インターナショナルは加熱式たばこの市場シェアを5.8%(前期5.3%・前々期4.7%)と示していますが、これは中国と米国を除く市場での販売数量に占める比率です。★日本たばこ産業は加熱式たばことE-Vaporを合わせて「RRP」と呼び、Ploomブランドを中心に展開していると有価証券報告書に記載していますが、シェアの数値を示していません。★★当サイトは、会社が同じ物差しで出していない数値を並べません。
2社の見通しの示し方は同じですか?
違います。★日本たばこ産業は、売上収益3兆8,850億円・営業利益1兆80億円・親会社の所有者に帰属する当期利益6,440億円と、すべて金額で公表しています(2026年12月期・2026年7月30日に引き上げ)。★★フィリップ・モリス・インターナショナルがGAAPの金額で示すのは1株当たり利益(7.19〜7.34ドル)だけで、売上高と営業利益は「オーガニック(買収・売却と為替の影響を除いた)ベースの伸び率」でしか示していません。★中長期の目標も形が違います。日本たばこ産業は「経営計画2026」(2026年12月期〜2028年12月期)を持ちますが、金額ではなく為替一定ベースの調整後営業利益の年平均成長率(high single digit)という形です。フィリップ・モリス・インターナショナルは中長期の数値目標をSECの提出書類で公表していません。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。★2社とも12月末が決算期です。フィリップ・モリス・インターナショナルの2025年12月期の10-Kは2026年2月6日にSECへ、日本たばこ産業の2025年12月期の有価証券報告書は2026年3月23日に金融庁EDINETへ提出されました。★直近の実績は、フィリップ・モリス・インターナショナルが2026年4〜6月期(四半期報告書・2026年7月24日提出)、日本たばこ産業が2026年1〜6月期(中間期決算短信・2026年7月30日公表)です。期間の長さが違うことに注意が要ります。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。
注記(2件)
- アメリカの対応企業
- 日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。
- 規模の比較
- 米ドルはページ下部のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業1社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
出典
売上高・純利益は各社の直近の通年決算(米国企業 FY2025/日本企業 2025年12月期)によります。出典は米国SEC(証券取引委員会)の年次報告書(10-K)、金融庁EDINETの有価証券報告書、株価はYahoo Finance。円換算は1米ドル = 160.34円。
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