テキサス・インスツルメンツ
基本情報
テキサス・インスツルメンツTXNNasdaq
TEXAS INSTRUMENTS INC
アナログ79.2%と組込みプロセッシング15.3%の2部門に「その他」5.5%。部門の売上・営業利益とも調整の行を挟まずに連結と完全一致する。
売上高は2.8兆円で、ルネサスエレクトロニクス(1.3兆円)の約2.1倍。従業員は約33,000人。
- 時価総額37.8兆円
- 売上高2.8兆円
- 営業利益9,639億円
- 純利益8,004億円
- 株価258.64USD
- PER47.5倍
- PBR14.51倍
- ROE30.1%
- 配当利回り2.13%
売上高と利益の推移
財務ハイライト(過去5期)
純利益・ROE
総資産・自己資本・自己資本比率
キャッシュ・フロー
1株あたり利益(EPS・希薄化後)
| 決算期 | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 | 純利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FY20252025-12-31期末 | 28,298億円 | +13.0% | 9,639億円 | 34.1% | 8,004億円 | 28.3% |
| FY20242024-12-31期末 | 25,032億円 | -10.7% | 8,746億円 | 34.9% | 7,680億円 | 30.7% |
| FY20232023-12-31期末 | 28,037億円 | -12.5% | 11,732億円 | 41.8% | 10,418億円 | 37.2% |
| FY20222022-12-31期末 | 32,052億円 | +9.2% | 16,228億円 | 50.6% | 14,002億円 | 43.7% |
| FY20212021-12-31期末 | 29,357億円 | — | 14,339億円 | 48.8% | 12,433億円 | 42.4% |
直近5期の通年決算です。
事業の概要
アナログ
音・温度・圧力・光といった現実世界の連続した信号を、整え、増幅し、他の半導体が扱えるデジタルのデータに変える半導体。電子機器の電力を変換・分配・蓄積・計測する用途にも使われる
利益構成比89.9%8,661億円・利益率38.6%
- ★★売上高140億6百万ドルで連結の79.2%。同社の主力
- ★電源(Power)と信号処理(Signal Chain)の2つの製品ラインを持つ。電源はバッテリー管理・DC/DCレギュレータ・パワースイッチなど、信号処理はアンプ・データコンバータ・インターフェース・モータードライブなど。製品ライン別の売上金額は開示されていない
- 部門営業利益54億12百万ドルで利益率38.6%。前期の46億8百万ドル(37.9%)から上がった
- バッテリー管理
- DC/DC・AC/DCレギュレータ
- アンプ・データコンバータ
- インターフェース・モータードライブ
- クロック・ロジック・センサー
組込みプロセッシング
多くの電子機器のデジタルの「頭脳」にあたる半導体。決められた仕事を処理するよう設計され、用途に応じて性能・消費電力・コストの組み合わせを最適化できる
利益構成比5.0%487億円・利益率11.3%
- ★★部門営業利益率11.3%はアナログの38.6%より大幅に低い。会社は理由を10-Kで名指ししており、「ユタ州リーハイの工場(LFAB)は主に組込みプロセッシングを支えるが、稼働の初期段階にある。立ち上がるまでは、アナログに比べて組込みプロセッシングの営業利益に不均衡に効く製造コストを負担すると見込む」としている
- ★マイコン・プロセッサ・無線接続・レーダー製品を含む。マイコンは「プロセッサコア・メモリ・周辺機能を備えた自己完結型のシステムで、しばしばアナログ機能を統合する」と会社は説明している
- ★顧客が自社の研究開発を投じて同社の製品上で動くソフトウェアを開発するため、世代をまたいでソフトを再利用したい顧客が多く、顧客との関係が長期化する傾向があると10-Kに記載されている
- マイコン(MCU)
- プロセッサ
- 無線接続
- レーダー製品
注目ポイント
- ★★★製造の大半を自社で行うことを明文の戦略に掲げる会社は10-Kに「北米・アジア・日本・欧州で半導体の製造設備を所有・運営している」「製造の大半を自社で行っている」と記載し、これを中核の競争優位と位置づけています。理由として「より低い製造コストとサプライチェーンのより強い統制」を挙げ、顧客に「地政学的に信頼できる生産能力」を提供するとしています。★★300mmの経済性を数字で示しています。「300mmウエハーで作った未封止のチップは、200mmウエハーの場合より約40%安い」。★テキサス州リチャードソン・シャーマンとユタ州リーハイの300mm工場で、認定と量産の立ち上げを続けていると記載しています。★アナログ・デバイセズがウエハーの半分超を外部へ委託し、クアルコムとブロードコムが原則ファブレスであるのとは対照的です。
- ★★産業機器と自動車で売上の66%最終市場の構成比は産業機器33%・自動車33%・パーソナルエレクトロニクス21%・データセンター9%・通信機器3%、ほかに電卓が約1%です(会社は「推計比率」と記載し、金額は開示していません)。★★2025年12月期に会社は市場の区分を組み替えました。それまでの「企業向けシステム」が「データセンター」に置き換わっています。★会社は「産業機器・自動車・データセンターの3つの市場に、追加の戦略的な重点を置いている」と10-Kに記載しています。
- ★★CHIPS法による補助を受けている2025年12月期の現金ベースの恩恵は合計6億70百万ドルで、内訳は法人税の支払額の減額に充てた投資税額控除3億35百万ドルと、受け取った現金3億35百万ドル(うち直接の資金は75百万ドル)です。前期は5億88百万ドル(全額が投資税額控除)、前々期はゼロでした。★シャーマン(テキサス州)とリーハイ(ユタ州)の3つの大規模300mm工場に対し、最大16億ドルの直接資金を米国商務省との契約で受けることになっています。★★この補助は製造資産の帳簿価額を直接減らしています。累計で45億10百万ドル(うち2025年12月期に13億70百万ドル)が減額され、その結果、減価償却費の減少という形で売上原価が2025年12月期に3億53百万ドル軽くなりました。★2025年7月4日成立の税制改正により、控除率が25%から35%へ引き上げられています。
- ★品目は8万点超、顧客は10万社超会社は10-Kに「80,000点を超える製品」「100,000社を超える顧客」「売上の約半分は上位50社以外の顧客から」と記載しています。★2025年12月期の売上の80%超が直販(ti.comを含む)で、販売店経由は20%未満です。設計・製造・販売の拠点は30か国を超えます。★売上の10%以上を占める顧客が1社あり、2025年・2024年とも12%でした(主にアナログ部門に計上)。社名は記載されていません。
部門ごとの売上と利益
2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)10-Kのセグメント注記より
| 部門 | 売上高 | 部門の利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| アナログ | 22,415億円 | 8,661億円 | 38.6% |
| 組込みプロセッシング | 4,316億円 | 487億円 | 11.3% |
| その他 | 1,567億円 | 491億円 | 31.4% |
| 連結 | 28,298億円 | 9,639億円 | 34.1% |
★★★部門の売上と営業利益の合計が、調整の行を1つも挟まずに連結と完全に一致します。
地域別の売上
地域別の売上高(最終顧客の本社所在地基準・会社の推計)2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)
- 米国
- 中国
- 欧州・中東・アフリカ
- その他アジア
- 日本
- その他
2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)の地域別の売上高です。
最新の決算
2026年12月期 第2四半期(2026年4月1日〜6月30日)2026-07-22 公表
| 項目 | 2026年12月期 第2四半期(2026年4月1日〜6月30日) | 2025年4月1日〜6月30日 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,743億円 | 7,118億円 | +22.8% |
| 営業利益 | 3,697億円 | 2,501億円 | +47.8% |
| 純利益 | 3,169億円 | 2,072億円 | +52.9% |
| 売上高営業利益率 | 42.3% | 35.1% | — |
会社が公表した決算資料の数値です。
会社が公表している中長期の目標
1株当たりフリーキャッシュフローの成長2025年12月期 Form 10-K(2026年2月6日提出)に記載
会社が掲げる「会社が掲げる目的と指標」は「株主が当社の歩みを測るうえで最良の指標は、長期にわたる1株当たりフリーキャッシュフローの成長である」です。
会社が示している3つの要素2025年12月期 Form 10-K(2026年2月6日提出)に記載
| 要素 | テーマ | 主な重点活動 |
|---|---|---|
| 14つの持続的な競争優位に立つ事業モデル①製造と技術の基盤、幅広い製品の品揃え、販路の広さ、製品・市場・顧客の多様さと長寿命 | 会社が挙げる4つ |
|
| 2規律ある資本の配分②2016年から2025年までの10年で1,090億ドルを配分し、うち約240億ドルを設備投資に充てた | 10年の実績と今後 |
|
| 3効率③1ドルあたりの産出を最大にする | 10-Kの記載 |
|
★★会社は「1株当たりフリーキャッシュフローの長期的な成長」を目的として繰り返し掲げていますが、その目標値(何ドル、何%成長)は10-Kのどこにも書かれていません。
経営目標(財務)
| 指標 | 2025年12月期(実績) | 会社が掲げた目標 |
|---|---|---|
| フリーキャッシュフロー(非GAAP) | 29億38百万ドル(売上高の16.6%) | 会社は金額の目標を示していない(「1株当たりの長期的な成長」が目的とだけ記載) |
| 設備投資 | 45億50百万ドル(売上高の25.7%) | 2026年は約20億〜30億ドル |
| 売上高・利益率 | 売上高176億82百万ドル・売上高営業利益率34.1% | 会社は数値目標を公表していない |
これは会社が公表した計画であり、当サイトの予測でも評価でもありません。
日本企業との違い
ルネサスエレクトロニクス6723
最終市場で正面から重なる。テキサス・インスツルメンツは産業機器33%・自動車33%で合わせて66%、ルネサスは自動車48.4%・産業インフラIoT 50.8%で99.2%。決算期も両社とも12月31日。★ただし区分の切り方が逆で、TIは製品の種類別(アナログ/組込みプロセッシング)、ルネサスは最終市場別
有価証券報告書に「半導体専業メーカー」と記載し、報告セグメントは産業・インフラ・IoT(50.8%)と自動車(48.4%)の2つ。★★最終市場で正面から重なります。 テキサス・インスツルメンツの最終市場は産業機器33%・自動車33%で、合わせて66%。決算期も両社とも12月31日で一致します。★★組込みプロセッシングにはマイコンが含まれます。 会社は同部門の製品が「多くの市場、とりわけ産業と自動車で使われる」と10-Kに記載し、マイコンを「プロセッサコア・メモリ・周辺機能を備えた自己完結型のシステムで、しばしばアナログ機能を統合する」と説明しています。★★★ただし区分の切り方が逆です。 テキサス・インスツルメンツの報告セグメントは製品の種類別(アナログ/組込みプロセッシング)、ルネサスは最終市場別(自動車/産業・インフラ・IoT)。部門どうしを直接並べても、対応するものを比べたことになりません。
売上高をテキサス・インスツルメンツと並べる- ルネサスエレクトロニクス1.3兆円2025年12月期
- テキサス・インスツルメンツ2.8兆円直近の通期
- ルネサスエレクトロニクス6.4兆円
- テキサス・インスツルメンツ37.8兆円
キオクシアホールディングス285A
製品は重ならないが、自前の工場を持つがゆえの循環が共通。テキサス・インスツルメンツは10-Kに独立した節を設けて「製造設備の建設と維持に多大な時間と資金を要することが半導体サイクルの一因」と説明し、キオクシアも「需給の循環的変動傾向が顕著」と説明する。★開示の細かさは正反対で、TIは区分ごとの営業利益まで出すが、キオクシアは報告セグメントが単一で部門の利益の開示が無い
報告セグメントは「メモリ事業」単一で、売上収益を用途別に「SSD & ストレージ」「スマートデバイス」「その他」に区分すると記載します。★★★製品は重なりません。 テキサス・インスツルメンツの製品はアナログ(信号処理・電源管理)と組込みプロセッシング(演算)で、メモリは10-Kの製品の記述に登場しません。★★共通するのは「自前の工場を持つがゆえの循環」です。 テキサス・インスツルメンツは10-Kに独立した節を設けて「製造設備の建設と維持に多大な時間と資金を要することが半導体サイクルの一因である」と説明し、キオクシアも有価証券報告書でフラッシュメモリ市況の「需給の循環的変動傾向が顕著」と説明しています。★開示の細かさは正反対です。 テキサス・インスツルメンツは区分ごとの営業利益まで開示しますが、キオクシアは報告セグメントが単一で部門の利益がどこにも開示されていません。
売上高をテキサス・インスツルメンツと並べる- キオクシアホールディングス2.3兆円2026年3月期
- テキサス・インスツルメンツ2.8兆円直近の通期
- キオクシアホールディングス26.2兆円
- テキサス・インスツルメンツ37.8兆円
3社とも決算期と会計基準の組み合わせが異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません。テキサス・インスツルメンツは12月期の米国会計基準、ルネサスエレクトロニクスは12月期のIFRS、キオクシアホールディングスは3月期のIFRSです。★テキサス・インスツルメンツとルネサスは決算期が同じ12月31日です。米ドルはページ下部に記載のレートで円換算しています。
よくある質問
テキサス・インスツルメンツと正面から重なる日本の会社はどこですか?
ルネサスエレクトロニクスです。テキサス・インスツルメンツの最終市場は産業機器33%・自動車33%で合わせて66%、ルネサスは自動車48.4%・産業インフラIoT 50.8%で合わせて99.2%です。決算期も両社とも12月31日で一致します。 組込みプロセッシングにはマイコンが含まれ、車載マイコンで重なります。★ただし区分の切り方が逆です。 テキサス・インスツルメンツの報告セグメントは製品の種類別、ルネサスは最終市場別なので、部門どうしを直接並べても対応するものを比べたことになりません。 キオクシアホールディングスとは製品が重なりません。
部門の合計と連結が完全に一致するのは珍しいのですか?
当サイトが掲載している会社の中では珍しい形です。テキサス・インスツルメンツは売上高(140億6百万+26億97百万+9億79百万=176億82百万ドル)も営業利益(54億12百万+3億4百万+3億7百万=60億23百万ドル)も、調整や消去の行を1つも挟まずに連結と一致します。 会社は10-Kに「重要なセグメント間の売上はない」と明記しており、全社の費用は営業費用の比率や人員数などの基準で各部門へ配分し、配分しないものは「その他」に入れる作りになっています。★ルネサスエレクトロニクスは部門の利益の合計と連結の営業利益に1,857億円の差があり、ブロードコムは165億13百万ドルの差があります。
組込みプロセッシングの利益率が低いのはなぜですか?
会社が10-Kで理由を名指ししています。「ユタ州リーハイの工場(LFAB)は主に組込みプロセッシングを支えるが、稼働中の工場として購入したもので立ち上げの初期段階にあり、工場の負荷は時間とともに上がっていくと見込む。LFABが立ち上がるまでは、アナログに比べて組込みプロセッシングの営業利益に不均衡に効く製造コストを組込みが負担すると見込む」。2025年12月期の部門営業利益率は、アナログが38.6%、組込みプロセッシングが11.3%でした。
直近の四半期で利益率が上がったのはなぜですか?
会社は10-Qで「主に増収と、それに伴う売上総利益の増加による」と説明しています。★背景にある仕組みも会社が10-Kと10-Qの両方で説明しています。「当社は製造能力の多くを自社で保有しているため、営業費用の相当部分が固定費である。工場の稼働が上がると固定費がより多くの産出に分散され、他の事情がなければ利益率が上がる」。実際、売上が23%(10億20百万ドル)増えた一方、営業費用(研究開発費と販売費及び一般管理費の合計)は10億12百万ドルから10億25百万ドルへ1.3%しか増えておらず、6か月の累計では両期とも20億ドルで変わっていません。★部門別に見ると、利益率の改善幅は組込みプロセッシング(12.5%→21.3%)のほうが大きいものの、営業利益の増加額7億47百万ドルの89%はアナログによるものです。
製造を自社で行っているのですか?
はい。会社は10-Kに「北米・アジア・日本・欧州で半導体の製造設備を所有・運営している」「製造の大半を自社で行っている」と記載し、これを中核の競争優位と位置づけています。理由として「より低い製造コストとサプライチェーンのより強い統制」を挙げ、顧客に「地政学的に信頼できる生産能力」を提供するとしています。★300mmの経済性を数字で示しています。「300mmウエハーで作った未封止のチップは、200mmウエハーの場合より約40%安い」。テキサス州リチャードソン・シャーマンとユタ州リーハイの300mm工場で、認定と量産の立ち上げを続けているとしています。★当サイトが掲載している他の半導体企業とは対照的です。 クアルコムとブロードコムは原則としてファブレス(製造を外部委託)、アナログ・デバイセズはウエハーの半分超を外部のファウンドリから調達しています。
CHIPS法による補助はどれくらいですか?
2025年12月期の現金ベースの恩恵は合計6億70百万ドルで、内訳は法人税の支払額の減額に充てた投資税額控除3億35百万ドルと、受け取った現金3億35百万ドル(うち直接の資金は75百万ドル)です。前期は5億88百万ドル(全額が投資税額控除)、前々期はゼロでした。★シャーマン(テキサス州)とリーハイ(ユタ州)の3つの大規模300mm工場に対し、最大16億ドルの直接資金を米国商務省との契約で受けることになっており、2026年6月30日時点で6億30百万ドルを受領済みです。★★この補助は製造資産の帳簿価額を直接減らしています。 累計で45億10百万ドル(うち2025年12月期に13億70百万ドル)が減額され、その結果、減価償却費の減少という形で売上原価が2025年12月期に3億53百万ドル軽くなりました。
日本向けの売上はどれくらいですか?
2025年12月期は11億73百万ドルで、売上高の6.6%(10-Kの表記は7%)です。日本は6つの地域区分の1つとして単独で開示されています。★この期に減ったのは6区分のうち日本だけで、金額では2023年12月期17億82百万ドル→2024年12月期12億12百万ドル→2025年12月期11億73百万ドルと3期続けて減り、比率も10%→8%→7%と下がりました。★★ただし直近の四半期では増加に転じています。 2026年4〜6月期は2億95百万ドルから3億30百万ドルへ11.9%増えました。全社が23%伸びたため、構成比は7%から6%へ下がっています(金額は増え、比率は下がった)。★なお会社は日本国内に会津と美浦の2つの拠点を賃借の注記なし(自社所有)で挙げており、アナログと組込みプロセッシングの両部門が主に使用する拠点としています。
中国向けの比率が2つ書かれているのはなぜですか?
同じ10-Kの中に、基準の違う数字が2つあるためです。 地域別の表は「最終顧客の本社所在地」基準で、中国は37億81百万ドル(21%)です。一方、リスク要因の節には「本社所在地が中国の最終顧客からの売上は2025年に売上高の約20%、製品が中国へ出荷されたものは約50%」と記載されています。基準が違うと比率が2倍以上変わります。 片方だけを見ると実態を取り違えるため、当ページでは両方を注記に書いています。
今期の見通しの節がないのはなぜですか?
会社が通期の見通しを公表していないためです。同社は決算発表資料で次の1四半期分だけの見通しを示しており、2026年7月22日には2026年12月期 第3四半期について「売上高56億5千万〜61億5千万ドル、1株当たり利益2.23〜2.57ドル」と公表しています。10-Kに数値が載っているのは設備投資(2026年は約20億〜30億ドル)などの記述だけです。
中期経営計画はありますか?
会社は「株主が当社の歩みを測るうえで最良の指標は、長期にわたる1株当たりフリーキャッシュフローの成長である」という目的を10-Kに繰り返し掲げていますが、その目標値(何ドル、何%成長)はどこにも書かれていません。 ページの「中長期の目標」の節に載せているのは、その達成のために会社が挙げている3つの要素(4つの持続的な競争優位に立つ事業モデル、規律ある資本の配分、効率)と、数値が示されている設備投資の見込みです。★なお会社は2026年2月4日に、シリコン・ラボラトリーズを1株231.00ドルの全額現金(企業価値ベースで約75億ドル)で買収する確定契約を結んだと公表しています。完了は2027年上期の見込みです。
連続増配は何年ですか?
22年です。 ただしこの数字は10-Kではなく、2026年の委任状説明書(2026年3月4日提出)に記載されています。「2025年に配当と自社株買いで64億8千万ドルを株主に還元した。四半期配当は4%増え、22年連続の増配となった」。当サイトは出典を分けて示しています。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、テキサス・インスツルメンツとルネサスエレクトロニクスは12月末、キオクシアホールディングスは3月末です。直近の四半期の実績は、会社が2026年7月24日にSECへ提出した四半期報告書(Form 10-Q)によります。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。
注記(5件)
- 売上高と利益の推移
- ★★半導体の市況の波がそのまま出ています。2022年12月期に売上高200億28百万ドル・営業利益101億40百万ドルだったものが、2024年12月期には売上高156億41百万ドル(22%減)・営業利益54億65百万ドル(46%減)まで下がり、2025年12月期に売上高176億82百万ドル・営業利益60億23百万ドルへ戻りました。2021年12月期の水準にはまだ届いていません。★★利益の振れが売上の振れより大きい理由を、会社は10-Kで説明しています。「当社は製造能力の多くを自社で保有しているため、営業費用の相当部分が固定費である。工場の稼働が上がると固定費がより多くの産出に分散され、他の事情がなければ利益率が上がる」。下がるときも同じ仕組みで効きます。★設備投資の多い時期が続きました。2023年12月期50億71百万ドル・2024年12月期48億20百万ドル・2025年12月期45億50百万ドルで、売上高に対する比率は29%・31%・26%です。会社は「6年間の設備投資の拡大局面の終わりが近い」とし、2026年12月期は約20億〜30億ドルを見込むと10-Kに記載しています。★ROEと自己資本比率は会社が公表していないため当サイトが計算しています(ROEの分母は期首と期末の自己資本の平均、自己資本比率は期末の自己資本÷期末の総資産)。
- 部門ごとの売上と利益
- 売上高は140億6百万+26億97百万+9億79百万=176億82百万ドル、営業利益は54億12百万+3億4百万+3億7百万=60億23百万ドルです。会社は「重要なセグメント間の売上はない」と10-Kに明記しており、全社の費用は営業費用の比率や人員数などの基準で各部門へ配分し、配分しないものは「その他」に入れる作りになっています。★「その他」はDLP製品・電卓・カスタムASICで、これに買収や事業構造改革の費用、訴訟費用、資産の売却損益といった全社の項目が加わります。★2025年12月期の事業構造改革などの費用1億17百万ドルは「その他」だけに立っています。残る2つの150mm工場を閉じる計画に伴う退職金などと、カスタムASIC関連ののれんの減損32百万ドルによるものです。前期は資産の売却益により同じ行が1億24百万ドルの貸方だったため、前期の「その他」の利益率は53.3%と高く出ています。
- 「部門の利益」が何を指すかは会社によって違います。掲載している会社の基準の一覧を用語集に置いています。
- 地域別の売上
- 会社が10-Kで開示した区分をそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。★★この区分は「最終顧客の本社がどこにあるか」で分けたもので、会社は10-Kに「重要な意思決定が行われる場所を表す」と説明しています。★会社自身が「推計(estimate)」と書いています。★★日本が独立した区分として11億73百万ドル(6.6%・10-Kの表記は7%)あります。★2025年12月期に減ったのは6区分のうち日本だけで、前期の12億12百万ドルから3.2%減りました。金額では2023年12月期17億82百万ドル→2024年12月期12億12百万ドル→2025年12月期11億73百万ドルと3期続けて減り、比率も10%→8%→7%と下がっています。★★★同じ10-Kの中に、別の基準による中国の数字もあります。リスク要因の節に「本社所在地が中国の最終顧客からの売上は2025年に売上高の約20%、製品が中国へ出荷されたものは約50%」と記載されています。基準が違うと比率が2倍以上変わります。★ドイツについては「本社所在地がドイツの最終顧客からの売上は2025年・2024年・2023年にそれぞれ売上高の10%・11%・13%」と注記されていますが、金額の記載はありません。
- 最新の決算
- 当サイトが原文を翻訳・加工したものではありません。増減は前年の同じ期間との比較です。★3か月(2026年4月1日〜6月30日)の数値です。SECに提出された四半期報告書(Form 10-Q)によります。★★売上高が23%、営業利益が48%増えています。会社は営業利益の増加を「主に増収と、それに伴う売上総利益の増加による」と説明しています。★★売上高営業利益率42.3%は、上の推移の図に出ている2025年12月期の通期34.1%を8.2ポイント上回ります。営業費用(研究開発費と販売費及び一般管理費の合計)は10億12百万ドルから10億25百万ドルへ1.3%しか増えておらず、6か月の累計では両期とも20億ドルでまったく増えていません。★部門別では、アナログが売上43億65百万ドル(26%増)・営業利益19億92百万ドル(50%増)、組込みプロセッシングが売上7億88百万ドル(16%増)・営業利益1億68百万ドル(98%増)です。利益率の改善幅は組込みプロセッシング(12.5%→21.3%)のほうが大きいものの、営業利益の増加額7億47百万ドルの89%はアナログによるものです。★日本向けは2億95百万ドルから3億30百万ドルへ11.9%増え、通期で3期続いた減少から反転しました。ただし全社が23%伸びたため、構成比は7%から6%へ下がっています。
- 会社が公表している中長期の目標
- 下に並べたのは、その達成のために会社が挙げている3つの要素です。★フリーキャッシュフローは非GAAPの指標で、会社の定義は「営業キャッシュフロー − 設備投資 + CHIPS法による受取額」です。
- 目標の言い回しは資料の表現をそのまま用いています。計画は見直されることがあります。会社がForm 10-K(2026年2月6日提出)に記載した内容です。★★売上高・利益率などの中長期の数値目標は公表されていません。会社は将来に関する記述の留保を資料に記載しています。★2026年2月4日に、シリコン・ラボラトリーズを1株231.00ドルの全額現金で買収する確定契約を結んだと公表しました(企業価値ベースで約75億ドル、2027年上期の完了見込み)。2026年6月には、この対価に充てるため期間364日・最大50億ドルの借入枠を設定しており、2026年6月30日時点の借入残高はゼロです。
出典
部門別・地域別の売上高、四半期決算、中長期の目標は、同社が公表した次の資料から当サイトが書き写しました(2025年12月期 Form 10-K(2026-02-06 公表)/2026年12月期 第2四半期 Form 10-Q(2026-07-24 公表)/2026年12月期 第2四半期の決算発表(Form 8-K 添付資料99)(2026-07-22 公表)/2026年 委任状説明書(DEF 14A)(2026-03-04 公表))。5期の推移(売上高・利益・総資産・キャッシュ・フロー等)と発行済株式数は、米国SECに提出されたXBRLデータによります。金額は1米ドル=160.04円、株価と時価総額は1米ドル=160.04円で円に直しています(レートの出典はYahoo Finance)。
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数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。
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