半導体の米国株 — 日本企業から見る対応表
この業界は、同じ「半導体」でも作っているものが違います。
大きく分けると、記憶する部品(メモリ)と、計算する部品(ロジック)です。キオクシアホールディングスとマイクロンは前者、ルネサスエレクトロニクス・インテル・AMD・エヌビディアは後者にあたります。
そしてもうひとつ、規模の差が極端です。エヌビディアの売上高は215.9十億ドルで、AMDの6倍を超えます。
この業界の日本の顔ぶれ
ルネサスエレクトロニクス
有価証券報告書に「半導体専業メーカー」と記載する。報告セグメントは産業・インフラ・IoT(51.2%)と自動車(48.8%)の2つ。連結子会社108社のうち102社が海外。
売上の内訳(2025年12月期)
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| 産業・インフラ・IoT | 51.2% |
| 自動車 | 48.8% |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は内訳の合計に占める割合で、会社が開示する区分をそのまま用いています。「その他」に当たる区分は含まれないため、合計は売上高と一致しないことがあります。
キオクシアホールディングス
報告セグメントは「メモリ事業」単一。売上収益を用途別に「SSD & ストレージ」「スマートデバイス」「その他」に区分すると記載する。有価証券報告書で自社を世界最大級のフラッシュメモリ専業と述べている。
アメリカの対応企業
| 企業 | ティッカー | 事業 | 売上高 | 掲載企業内シェア | 時価総額 | 対応の濃さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エヌビディアNVIDIA CORP | NVDA | 10-Kで自社を「データセンター規模のAIインフラの会社」と説明する。コンピュート&ネットワーキング89.6%、グラフィックス10.4%。地域別は米国69.3%、台湾19.6%。売上高215.9十億ドルで6社中最大。 | 34.4兆円FY2026 · 米国基準 | 63.4% | 868.0兆円 | キオクシアホールディングス △ ルネサスエレクトロニクス △ |
| インテルINTEL CORP | INTC | 当サイトが取得したXBRLに事業別の次元がなく、地域別のみ。米国29.8%、中国(香港含む)24.0%、シンガポール18.0%、台湾14.5%。 | 8.4兆円FY2025 · 米国基準 | 15.5% | 82.4兆円 | ルネサスエレクトロニクス ○ キオクシアホールディングス △ |
| マイクロン・テクノロジーMICRON TECHNOLOGY INC | MU | メモリとストレージの会社。用途別に4つの事業単位を持ち、クラウド向け36.2%、モバイル・クライアント向け31.7%、データセンター向け19.3%、車載・産業向け12.7%。日本を国別に開示している(2.4%)。 | 6.0兆円FY2025 · 米国基準 | 11.0% | 174.8兆円 | キオクシアホールディングス ◎ ルネサスエレクトロニクス △ |
| AMDADVANCED MICRO DEVICES INC | AMD | データセンター48.0%、クライアント&ゲーミング42.0%、エンベデッド10.0%の3セグメント。地域別は米国32.8%、中国22.4%、台湾15.0%。 | 5.5兆円FY2025 · 米国基準 | 10.2% | 133.8兆円 | ルネサスエレクトロニクス ○ キオクシアホールディングス △ |
対応の濃さ:◎ 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/○ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/△ 部分対応(一部の事業のみ重なる)
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上の表のシェアは、掲載した米国企業4社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
日米の構造の違い
記憶する部品と、計算する部品
半導体は用途で大きく分かれます。開示資料からも、その違いが読み取れます。
- メモリ(記憶する) — キオクシアホールディングス(報告セグメントは「メモリ事業」単一)、マイクロン(4区分すべてがメモリ・ストレージの用途別)
- ロジック(計算する) — ルネサスエレクトロニクス、インテル、AMD、エヌビディア
キオクシアとマイクロンは、この分類の同じ側にいます。このページで◎はここだけです。
同じロジックでも、用途が違う
計算する側の4社も、向き先が違います。
- ルネサスエレクトロニクス — 産業・インフラ・IoT(51.2%)と自動車(48.8%)。車や工場の機器に組み込まれる部品
- インテル・AMD — AMDの区分はデータセンター(48.0%)とクライアント&ゲーミング(42.0%)。パソコンやサーバーが中心
- エヌビディア — 10-Kで自社を「データセンター規模のAIインフラの会社」と説明し、コンピュート&ネットワーキングが89.6%
ルネサスとインテル・AMDを○、エヌビディアを△としているのは、この向き先の違いによるものです。
売上高の差が極端に大きい
この業界は、同じページに並べた会社の規模差がこれまででもっとも大きくなっています。
- エヌビディア — 215.9十億ドル
- インテル — 52.9十億ドル
- マイクロン — 37.4十億ドル
- AMD — 34.6十億ドル
エヌビディアはAMDの6倍を超えます。日本側のルネサスエレクトロニクス(1.32兆円)、キオクシアホールディングス(2.34兆円)と合わせると、差はさらに開きます。表では円換算して同じ物差しで並べています。
米国の会社でも、米国の比率はさまざま
地域別の内訳を見ると、会社ごとにかなり違います。
- エヌビディア — 米国69.3%、台湾19.6%、中国(香港含む)9.1%
- マイクロン — 米国64.5%、台湾15.2%、中国7.1%、日本2.4%
- AMD — 米国32.8%、中国22.4%、台湾15.0%
- インテル — 米国29.8%、中国(香港含む)24.0%、シンガポール18.0%、台湾14.5%
台湾がどの会社にも現れます。 半導体の製造と組み立てが集まる場所であることが、売上の分布にも出ています。
キオクシアの「世界最大級」という記載について
キオクシアホールディングスは有価証券報告書で、自社を「世界最大級のフラッシュメモリ専業プレイヤー」と述べています。同社はこの記載の出典として調査会社のレポート(2025年4月〜2026年3月のビット生産量ベース)を注記しています。
当サイトはこれを同社の記載として紹介するにとどめ、シェアの数値としては扱いません。 調査会社の推計は一次資料ではないためです。
よくある質問
キオクシアホールディングスのアメリカ版はどこですか?
マイクロンです。キオクシアの報告セグメントは「メモリ事業」単一、マイクロンの4区分はすべてメモリ・ストレージの用途別で、双方ともメモリが本業です。このページで◎はこの組み合わせだけです。
ルネサスエレクトロニクスとエヌビディアはどちらも半導体ですが、なぜ△なのですか?
どちらも計算する側の半導体ですが、向き先が違います。ルネサスは産業・インフラ・IoT(51.2%)と自動車(48.8%)で、車や工場の機器に組み込まれる部品が中心です。エヌビディアは10-Kで自社を「データセンター規模のAIインフラの会社」と説明しています。
インテルの事業別の内訳が載っていないのはなぜですか?
当サイトが取得したXBRLに事業別の次元がなかったためです。地域別の内訳のみ掲載しています。開示されていない、あるいは取得できていないものを推測で補うことはしません。
ソニーグループがこのページにないのはなぜですか?
ソニーグループはイメージセンサーの事業(I&SS)を持ちますが、当サイトではエンタメ・ゲームのページに載せています。1つの会社を1つの業界に置く方針のためです。ソニーグループの事業構成は、エンタメ・ゲームのページで確認できます。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、エヌビディアは1月末、マイクロンは8月末、インテルとAMDは12月末、ルネサスは12月末、キオクシアは3月末です。株価と時価総額はページ上部に記載した基準日の値です。
数値の基準日
- 売上高(米国企業)
- 各社の直近の通年決算(FY2025・FY2026)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
- 売上高(日本企業)
- 各社の直近の通年決算(2025年12月期・2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
- 株価・時価総額
- 2026-08-15 時点
- 為替
- 1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。