鉄道Railroads
日本の顔ぶれ
- 東日本旅客鉄道運輸事業・不動産・ホテル事業・流通・サービス事業・その他の4区分。運輸事業は外部売上の66.3%を占めるが、部門の利益率は9.1%で4区分でいちばん低い。部門の利益の53.8%は鉄道以外から出ている。営業キロ7,302.2km・駅数1,632駅・従業員70,623人。アメリカではユニオン・パシフィック
- 東海旅客鉄道運輸業・流通業・不動産業・その他の4区分。東海道新幹線と東海地方の在来線が中心で、運輸業が外部売上の81.8%・部門の利益の92.1%を占める。営業費用の比率58.6%は米国の貨物鉄道とほぼ同じ。従業員29,569人。中央新幹線を自己負担で建設中と会社は記載する。アメリカではユニオン・パシフィック
アメリカの対応企業
ユニオン・パシフィックUNP
Union Pacific Corporation
米国西部23州で貨物鉄道を運行する。報告セグメントは鉄道の1つだけで、部門別の利益は開示されない。2025年12月期の売上高245億10百万ドル・営業利益98億46百万ドル(40.2%)。会社が使う指標は「オペレーティング・レシオ59.8%」。貨物収入の内訳は工業品37%・バルク33%・プレミアム30%。旅客の収入は無い。路線32,889マイル(約5万2,930km)、従業員は2025年の平均で29,287人。ノーフォーク・サザンの買収がSTBの審査中。
- 売上高3.8兆円
- 純利益1.1兆円
- 時価総額26.8兆円
- 株価289.15USD
- 掲載企業内シェア100.0%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- 東海旅客鉄道
- 東日本旅客鉄道
カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。
日米の構造の違い
営業費用の比率で並べると、JR東海と米国の貨物鉄道がほぼ同じ
★★★これがこのページのいちばんの読みどころです。
- ユニオン・パシフィック 59.8%(会社自身が「オペレーティング・レシオ」として記載)
- JR東海 58.6%(当サイトの計算)
- JR東日本 86.6%(当サイトの計算)
★★「営業費用÷営業収益」という同じ計算です。ユニオン・パシフィックは10-Kで「営業費用を営業収益に対する比率で表したもの」と定義しており、鉄道会社が業績を語るときの共通の物差しになっています。★日本側2社はこの指標を使わないので、計算は当サイトが行いました。
★★★ユニオン・パシフィックとJR東海の差は1.2ポイントです。貨物と旅客という違いがあるのに、費用の形がここまで近いのは、当サイトが載せている業界の中でも珍しい形です。
★★裏返した売上高営業利益率は40.2%・41.4%・13.4%です(いずれも当サイトの計算)。
★当サイトは理由を書きません。3社とも数値で分解していないためです。
鉄道そのものの利益率は、5倍の開きがある
★★★部門まで下りると、差はもっとはっきりします。
- ユニオン・パシフィック 40.2%(連結がそのまま鉄道。報告セグメントは1つだけ)
- JR東海の運輸業 46.4%(当サイトの計算)
- JR東日本の運輸事業 9.1%(当サイトの計算)
★★JR東海とJR東日本のあいだに5倍の開きがあります(46.4÷9.1・当サイトの計算)。どちらも日本の旅客鉄道で、決算期も会計基準も同じです。
★★利益率の分母は、いずれも部門間の取引を含む売上高にしています。
★当サイトは理由を書きません。2社とも数値で分解していないためです。
JR東日本は、部門の利益の過半が鉄道以外から出ている
★★★鉄道への集中度が3社でまったく違います。
- ユニオン・パシフィックは報告セグメントが鉄道の1つだけ。部門別の利益が1つも開示されない
- JR東海は運輸業が外部売上の81.8%・部門の利益の92.1%(当サイトの計算)
- JR東日本は運輸事業が外部売上の66.3%・部門の利益の46.2%(当サイトの計算)
★★★JR東日本では、部門の利益の53.8%が鉄道以外から出ています。内訳は不動産・ホテル事業30.5%、流通・サービス事業16.2%、その他7.2%です(いずれも当サイトの計算)。
★★JR東日本の不動産・ホテル事業の利益率は23.6%で、運輸事業の9.1%の2.6倍です(当サイトの計算)。★2026年3月期は、この区分の設備投資額4,543億12百万円が運輸事業の4,437億20百万円を上回りました(会社の記載)。
売上はほぼ同じなのに、営業利益は3.70倍違う
★ユニオン・パシフィックの売上高245億10百万ドルは、ページ下部のレートで約3兆8,206億円です(当サイトの計算)。
- JR東日本 3兆846億79百万円 … ユニオン・パシフィックは1.24倍
- JR東海 2兆62億18百万円 … ユニオン・パシフィックは1.90倍
★★★営業利益で並べると差が開きます。ユニオン・パシフィックの98億46百万ドルは約1兆5,348億円で、JR東日本の4,142億58百万円の3.70倍、JR東海の8,301億67百万円の1.85倍です(いずれも当サイトの計算)。
★★路線の長さはさらに違います。ユニオン・パシフィックは32,889マイル(約5万2,930km)、JR東日本は7,302.2kmで7.2倍です(換算は当サイトの計算)。★それでも売上はほぼ同じです。
★JR東海は有価証券報告書の「事業の内容」に営業キロを記載していないため、当サイトは同社の路線の長さを書いていません。
従業員数は、ユニオン・パシフィックとJR東海がほぼ同じ
★★ユニオン・パシフィック 29,287人(2025年の平均・会社の記載)。
★★JR東海 29,569人、★JR東日本 70,623人(いずれも2026年3月31日時点)。
★★★1人当たりの営業収益は、ユニオン・パシフィックが約1億3,045万円、JR東海が6,785万円、JR東日本が4,368万円です(ページ下部のレートで換算・当サイトの計算)。
★★★当サイトは、この数字から人員配置の良し悪しを述べません。運ぶものも路線の長さも違う3社を、同じ割り算で並べているだけです。
設備投資の比率は、日本側が2倍近い
★ユニオン・パシフィック 15.5%(設備投資37億91百万ドル÷売上高245億10百万ドル)。
★JR東海 28.5%(5,709億63百万円÷2兆62億18百万円)。
★JR東日本 31.4%(9,689億13百万円÷3兆846億79百万円)。いずれも当サイトの計算です。
★★JR東海は中央新幹線を「自己負担を前提として」建設すると有価証券報告書に記載しており、2026年6月30日時点の長期債務残高は4兆7,684億円です(会社の記載)。
★★JR東日本は「有形及び無形固定資産の増加額には、工事負担金等による固定資産の増加額が含まれております」と注記しています。
★★★当サイトは、この差の理由を書きません。3社とも数値で分解していないためです。
開示の細かさが、日米でまったく違う
★★★ユニオン・パシフィックは「鉄道は当社の唯一の報告セグメントである」と10-Kに記載しています。理由として「鉄道網が一体であるため」を挙げています。
★★そのため部門別の利益が1つも開示されません。開示されるのは商品グループ別の売上高(工業品・バルク・プレミアム)だけで、これも利益は付きません。
★★★日本側2社はどちらも4区分で、部門ごとの利益を開示しています。
★★同じ鉄道会社でも、読める粒度がまったく違います。
★3社とも地域別の内訳は開示していません。日本側2社は「本邦の外部顧客への売上高が売上高の90%を超えるため」記載を省略し、ユニオン・パシフィックが示す地域の数値はメキシコ発着の貨物収入29億ドル(2025年)だけです。★★鉄道は線路のある国の中で完結する事業であることが、日米とも開示の形に出ています。
米国側は貨物専業で、旅客の収入が無い
★★★ユニオン・パシフィックの2025年12月期の貨物収入は232億20百万ドルで、工業品37%・バルク33%・プレミアム30%の3グループから成ります(構成比は会社の記載)。
★★売上高245億10百万ドルとの差13億ドルは、子会社の収益・附帯収益・その他です。旅客の収入はありません。
★★★日本側2社は旅客鉄道です。JR東日本は関東・東北の1都16県で1,632駅、JR東海は東海道新幹線と東海地方の在来線を運行しています。
★★★このため、当サイトはこの業界で◎(直接競合)を1件も付けていません。憲法M-3の◎は「世界市場で同じ製品・顧客を取り合う」場合に限っており、運ぶものが違う以上、当たらないと判断しました。
★JR東海は○(同業)、JR東日本は△(部分対応)です。
ノーフォーク・サザンの買収が審査中
★★ユニオン・パシフィックは2025年7月28日にノーフォーク・サザン(NSC)との合併契約を結んだと10-Kに記載しています。ノーフォーク・サザン株1株につき、ユニオン・パシフィック株1株と現金88.82ドルを交付する条件です。
★★「実現すれば43州・5万マイル超をまたぐ、米国で初めての大陸横断鉄道になる」と会社は記載しています。
★2025年11月14日に両社の株主総会で承認され、残っているのは陸上運輸委員会(STB)の認可です。★2026年1月16日にSTBが最初の共同申請を「完全なものとして受理しない」と決定し、2026年4月30日に修正した申請が出されました。★2026年5月28日付でSTBは受理しつつ手続を保留し、2026年7月27日までの補足情報の提出を求めています。
★★★当サイトは、この買収がどうなるかについて何も書きません。完了していない取引の結果を当サイトが述べることはありません。
1株当たり配当額の段差は、2社とも株式分割
★★★日本側2社は、どちらも推移の表で1株当たり配当額が大きく下がって見えます。
- JR東日本 … 100円→100円→140円→60円→74円
- JR東海 … 130円→135円→85円→31円→32円
★★★どちらも減配ではありません。★JR東日本は2024年4月1日に1株→3株、JR東海は2023年10月1日に1株→5株の株式分割を行っています。
★★両社とも「1株当たり配当額については、株式分割前の内容を記載しております」という趣旨の注記を置いています。★JR東海は「当該株式分割が第37期の期首に行われたと仮定した場合、年間配当額は29円となります」と、そろえた数字まで書いています。
★★分割後の株数にそろえると、JR東日本は33円→33円→47円→60円→74円、JR東海は26円→27円→29円→31円→32円です(JR東海の29円は会社の記載、それ以外は当サイトの計算)。
★★★1株当たり利益(EPS)と1株当たり純資産額は、両社とも5期すべて分割後の株数で計算し直されています(会社の注記)。
直近の四半期と、通期の見通し
★同じ2026年4〜6月期を、3社とも公表しています。
- ユニオン・パシフィック … 売上高11.5%増・営業利益9.4%増(当サイトの計算)
- JR東日本 … 営業収益8.0%増・営業利益9.4%増(会社発表の増減率)
- JR東海 … 営業収益3.0%増・営業利益0.9%減(会社発表の増減率)
★★営業減益はJR東海だけでした。
★★通期の業績予想を公表しているのは日本側2社だけです。JR東日本は2027年3月期の営業収益3兆2,950億円(6.8%増)・営業利益4,290億円(3.6%増)、JR東海は営業収益1兆9,930億円(0.7%減)・営業利益7,020億円(15.4%減)としています。
★★★ユニオン・パシフィックは、通期の売上高や利益の見通しをSECの提出書類に書きません。★★この違いは制度によるもので、当サイトはどちらが良いとは書きません。
よくある質問
JR東日本とJR東海のアメリカ版はどこですか?
ユニオン・パシフィック(UNP)です。★★★ただし運ぶものが違います。同社は米国西部23州で貨物だけを運ぶ鉄道会社で、旅客の収入がありません。★★そのため当サイトは、この業界で◎(直接競合)を1件も付けていません。JR東海が○(同業)、JR東日本が△(部分対応)です。★★★それでも数字の形がそろう組み合わせがあります。ユニオン・パシフィックの営業費用の比率59.8%(会社の記載)と、JR東海の58.6%(当サイトの計算)の差は1.2ポイントです。★★従業員数も29,287人と29,569人でほぼ同じです。★★★JR東日本は営業費用の比率が86.6%で、3社の中でここだけ離れます(当サイトの計算)。
なぜ◎(直接競合)が1件も無いのですか?
運ぶものが違うからです。★★当サイトの◎は「世界市場で同じ製品・顧客を取り合う」場合に限っています(憲法M-3)。★★★ユニオン・パシフィックは貨物専業で、旅客の収入がありません。2025年12月期の貨物収入232億20百万ドルは、工業品・バルク・プレミアムの3グループから成ります。★★JR東日本とJR東海は旅客鉄道です。★貨物と旅客では顧客も運賃の決まり方も違うため、同じ製品・顧客を取り合っているとは言えないと当サイトは判断しました。★★★それでも業界ページを作ったのは、費用の形・利益率・従業員数といった数字が比べられるからです。違いそのものが読みどころになります。
オペレーティング・レシオとは何ですか?
営業費用を営業収益で割った比率です。★ユニオン・パシフィックは10-Kで「営業費用を営業収益に対する比率で表したもの」と定義しています。★★低いほど、売上に対して残る利益が厚いことになります。★同社の2025年12月期は59.8%で、前期から0.1ポイント改善したと会社は記載しています。★★★当サイトは日本側2社にも同じ計算を当てました。JR東海58.6%・JR東日本86.6%です(いずれも当サイトの計算)。★日本側2社はこの指標を使わないので、会社が公表した数字ではありません。★★裏返した売上高営業利益率は、40.2%・41.4%・13.4%です。★★★当サイトは良し悪しを述べません。事業の組み合わせが違う会社を、同じ物差しで並べているだけです。
なぜJR東日本だけ利益率が低いのですか?
当サイトは理由を書いていません。3社とも数値で分解していないためです。★事実として、JR東日本の運輸事業の部門利益率は9.1%で、JR東海の運輸業46.4%の5分の1です(いずれも当サイトの計算)。★★JR東日本は4区分のうち運輸事業がいちばん利益率が低く、いちばん高いのは不動産・ホテル事業の23.6%です。★★★その結果、部門の利益の53.8%が鉄道以外から出ています(当サイトの計算)。★★★JR東海は正反対で、運輸業が部門の利益の92.1%を出しています。★★同じ「鉄道」でも、鉄道そのもので稼ぐ会社と、鉄道の周りで稼ぐ会社に分かれます。★当サイトは、どちらが良い形だとは書きません。
米国に旅客鉄道の会社はないのですか?
当サイトが掲載している米国企業の中にはありません。★★米国の都市間旅客鉄道はアムトラック(全米旅客鉄道公社)が担っていますが、上場企業ではありません。★★そのため当サイトは、日本のJR各社に対応する米国企業として、貨物鉄道のユニオン・パシフィックを置いています。★同社のほかにCSX・ノーフォーク・サザンも米国のクラスI鉄道ですが、当サイトはまだ個票を作っていません。★★ノーフォーク・サザンは、ユニオン・パシフィックの買収の相手として本文に登場します。★★★「米国に旅客鉄道の大手はない」という点そのものが、この業界を読むときの出発点になります。
規模はどれくらい違いますか?
★ユニオン・パシフィックの売上高245億10百万ドルは、ページ下部のレートで約3兆8,206億円です(当サイトの計算)。★★JR東日本の3兆846億79百万円の1.24倍、JR東海の2兆62億18百万円の1.90倍にあたります。★★★営業利益では差が開きます。ユニオン・パシフィックの98億46百万ドルは約1兆5,348億円で、JR東日本の4,142億58百万円の3.70倍、JR東海の8,301億67百万円の1.85倍です(いずれも当サイトの計算)。★★路線の長さはさらに違います。ユニオン・パシフィックは32,889マイル(約5万2,930km)、JR東日本は7,302.2km(在来線6,108.0km・新幹線1,194.2km)で7.2倍です。★★★それでも売上はほぼ同じです。★株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値をご覧ください。
通期の見通しはどこが公表していますか?
日本側の2社です。★JR東日本は2027年3月期について営業収益3兆2,950億円(6.8%増)・営業利益4,290億円(3.6%増)・経常利益3,530億円(0.4%増)・当期純利益2,550億円(2.9%増)としています。★★JR東海は営業収益1兆9,930億円(0.7%減)・営業利益7,020億円(15.4%減)・経常利益6,530億円(16.4%減)・当期純利益4,470億円(19.1%減)としています。★★★JR東海は4項目すべてが減少の予想で、5期続けて増収増益だったあとの数字です。★★当サイトは減少の理由を書きません。この予想は2026年3月期の決算発表時に公表されたもので、当サイトが根拠にしている第1四半期決算短信には「変更はありません」としか書かれていないためです。★★★ユニオン・パシフィックは、SECの提出書類に通期の見通しを書きません。これは制度の違いによるもので、当サイトはどちらが良いとは書きません。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。★ユニオン・パシフィックの決算期は12月末、日本側2社は3月末です。★直近の四半期は、ユニオン・パシフィックが2026年7月23日にSECへ提出した四半期報告書(Form 10-Q)、日本側2社が2026年7月31日に公表した第1四半期決算短信によります。★日本側2社の有価証券報告書は、JR東日本が2026年6月17日、JR東海が2026年6月22日に金融庁EDINETへ提出されたものです。米ドルはページ下部に記載のレートで円換算しています。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。
注記(2件)
- アメリカの対応企業
- 日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。
- 規模の比較
- 米ドルはページ下部のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業1社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
出典
売上高・純利益は各社の直近の通年決算(米国企業 FY2025/日本企業 2026年3月期)によります。出典は米国SEC(証券取引委員会)の年次報告書(10-K)、金融庁EDINETの有価証券報告書、株価はYahoo Finance。金額の円換算は1米ドル = 155.88円、株価と時価総額は1米ドル = 155.88円。
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。
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