ボーイング
基本情報
ボーイングBANYSE
BOEING CO
コマーシャル・エアプレーンズ(46.3%)・ディフェンス・スペース&セキュリティ・グローバル・サービシズの3部門。5期のうち4期が赤字で、2025年12月期の黒字化は事業の売却益95億66百万ドルによるもの。
売上高は14.3兆円で、三菱重工業(5.0兆円)の約2.9倍。従業員は約182,000人。
- 時価総額26.5兆円
- 売上高14.3兆円
- 営業利益6,851億円
- 純利益3,577億円
- 株価209.82USD
- PER84.6倍
- PBR30.41倍
- ROE289.1%
売上高と利益の推移
財務ハイライト(過去5期)
当期純利益
総資産・株主資本(マイナス)
キャッシュ・フロー
1株あたり利益(EPS・希薄化後)
★★★5期のうち4期は自己資本がマイナスでした。
| 決算期 | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 | 純利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FY20252025-12-31期末 | 143,175億円 | +34.5% | 6,851億円 | 4.8% | 3,577億円 | 2.5% |
| FY20242024-12-31期末 | 106,452億円 | -14.5% | ▲17,135億円 | ▲16.1% | ▲18,912億円 | ▲17.8% |
| FY20232023-12-31期末 | 124,500億円 | +16.8% | ▲1,237億円 | ▲1.0% | ▲3,556億円 | ▲2.9% |
| FY20222022-12-31期末 | 106,598億円 | +6.9% | ▲5,632億円 | ▲5.3% | ▲7,898億円 | ▲7.4% |
| FY20212021-12-31期末 | 99,681億円 | — | ▲4,593億円 | ▲4.6% | ▲6,725億円 | ▲6.7% |
直近5期の通年決算です。
事業の概要
コマーシャル・エアプレーンズ(BCA)
民間旅客機。世界の航空会社に向けて737・787・777などを開発・生産・販売する。売上は機体が完成し顧客に引き渡された時点で認識する
部門の利益▲11,329億円・利益率▲17.1%
- ★★売上高414億94百万ドルで3部門の46.3%。前期の228億61百万ドルから81.5%増えた
- ★★★部門の営業損失は70億79百万ドル。前期の79億69百万ドルの損失からは縮んだが、5期を通じて赤字が続いている
- ★★受注残5,672億90百万ドルで、3部門の合計6,822億7百万ドルの83.2%を占める
- ★研究開発費22億2百万ドルは3部門で最大
- 737 MAX
- 787 ドリームライナー
- 777 / 777X
- 767
- 貨物機
ディフェンス・スペース&セキュリティ(BDS)
軍用機・無人機・兵器システム・監視システム・衛星・宇宙探査の研究開発と生産。売上は契約期間にわたって原価の発生に応じて認識する
部門の利益▲205億円・利益率▲0.5%
- ★売上高272億34百万ドルで3部門の30.4%。前期の239億18百万ドルから13.9%増えた
- ★★部門の営業損失は1億28百万ドル。前期の54億13百万ドルの損失からは大きく縮んだ
- ★受注残847億86百万ドル(前期640億23百万ドル)
- ★2025年にはセントルイス地区で101日間のストライキがあったと会社は10-Kに記載している
- F-15EX・F/A-18
- KC-46A 空中給油機
- MQ-25 無人給油機
- 衛星システム
- 宇宙探査(SLS ほか)
グローバル・サービシズ(BGS)
民間・政府の顧客に部品・整備・改修・物流支援・訓練・データ分析を提供する。3部門で唯一、5期を通じて黒字
部門の利益21,564億円・利益率64.4%
- ★★★部門の営業利益134億74百万ドルには、デジタル航空ソリューション事業の売却益95億66百万ドルが含まれる。これを除くと39億8百万ドル・18.7%(当サイトの計算)
- ★売上高209億23百万ドルで3部門の23.4%。前期の199億54百万ドルから4.9%増
- ★★3部門で唯一、5期とも黒字。2023年12月期33億29百万、2024年12月期36億18百万ドル
- ★受注残297億20百万ドル
- 純正部品の供給
- 整備・改修
- 物流支援
- パイロット・整備士の訓練
- データ分析
注目ポイント
- ★★★黒字化は事業の売却によるもの2025年12月期は5期ぶりの黒字(営業利益42億81百万ドル・純利益22億35百万ドル)でした。★★★ただし損益計算書の「資産の処分による利益(純額)」が96億72百万ドルあり、これが無ければ営業損益は△53億91百万ドルの赤字です(当サイトの計算)。★中身はデジタル航空ソリューション事業の売却益95億66百万ドルで、グローバル・サービシズ部門の営業利益134億74百万ドルに含まれています。★★3部門から売却益を除くと合計△32億99百万ドル(コマーシャル・エアプレーンズ△70億79百万+ディフェンス・スペース&セキュリティ△1億28百万+グローバル・サービシズ39億8百万)です。★当サイトは良し悪しを述べません。会社が公表した金額を並べています。
- ★★★受注残が売上高の7.6倍2025年12月末の受注残は6,822億7百万ドル(前期5,213億36百万ドル)。売上高894億63百万ドルの7.6倍にあたります。★内訳はコマーシャル・エアプレーンズ5,672億90百万ドル(83.2%)・ディフェンス・スペース&セキュリティ847億86百万ドル・グローバル・サービシズ297億20百万ドルです。★うち契約済みの受注残が6,397億21百万ドル、未確定分が424億86百万ドルです。★★会社は「契約済み受注残の増加は主にコマーシャル・エアプレーンズの受注残の増加による」と記載しています。★同時に「引き渡しの遅れなどにより、受注残の減少や大幅な受注の取り消しが起きうる」とも記載しています。★★当ページのGEエアロスペースは、残存履行義務を1,905億64百万ドルと開示しています。
- ★★日本の重工3社は「主要な供給業者」の側にある会社は10-Kに「主たる事業は米国・カナダ・オーストラリアにあるが、主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しています。★★三菱重工業・川崎重工業・IHIの3社は、いずれも787の機体構造や部品を供給する側です。当サイトはこの関係を金額では確かめていませんが、会社の記述として日本が名指しされている点は、当ページの重工・防衛の米国5社の中でこの会社だけです。★関税についても、会社は「英国・日本・韓国・マレーシア・欧州連合を含む国々との、WTOの民間航空機貿易協定の範囲」に触れています。★アジア向けの売上は164億66百万ドル・18.4%で、前期から37.3%増えました。
- ★従業員18万2千人の4割が労働組合員会社は10-Kに、2025年12月31日時点の総従業員数が約182,000人で、14%が米国外にいると記載しています。★★うち約72,000人・総従業員の40%が労働協約の適用を受ける組合員で、9つの組合と32の独立した協定を結んでいます。★★2025年には、セントルイス地区の約3,200人を代表するIAM第837地区が101日間のストライキを行い、同地区の操業に影響したと会社は記載しています。★2025年12月にスピリット・エアロシステムズの買収を完了しており、従業員数にはその分も含まれます。★当ページの重工・防衛の米国5社で最も多い人数です(RTX 180,000人、ロッキード・マーティン123,000人、ノースロップ・グラマン95,000人、GEエアロスペース 約57,000人)。
部門ごとの売上と利益
2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)10-Kの注記24より
| 部門 | 売上高 | 部門の利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| コマーシャル・エアプレーンズ(BCA) | 66,406億円 | ▲11,329億円 | ▲17.1% |
| ディフェンス・スペース&セキュリティ(BDS) | 43,585億円 | ▲205億円 | ▲0.5% |
| グローバル・サービシズ(BGS) | 33,485億円 | 21,564億円 | 64.4% |
| 部門に配分していない項目・消去その他 | ▲301億円 | — | — |
| 連結 | 143,175億円 | 6,851億円 | 4.8% |
★★★2025年12月期の営業利益42億81百万ドルは、事業の売却益によるものです。
地域別の売上
地域別の売上高(顧客の所在地基準・対外有償軍事援助を含む)2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)
- 米国
- アジア
- 欧州
- 中東
- カナダ
- アフリカ
- オセアニア
- 中南米・カリブ海その他
2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)の地域別の売上高です。
最新の決算
2026年4〜6月期2026-07-28 公表
| 項目 | 2026年4〜6月期 | 2025年4〜6月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 39,305億円 | 36,407億円 | +8.0% |
| 営業利益 | 250億円 | ▲282億円 | 黒字転換 |
| 純利益 | ▲711億円 | ▲978億円 | 赤字継続 |
| 売上高営業利益率 | 0.6% | — | — |
会社が公表した決算資料の数値です。
日本企業との違い
三菱重工業7011
★★★取引の関係がある。ボーイングは10-Kに「主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しており、三菱重工業は787の主翼などを供給する側。★★ただし事業の幅がまったく違う。三菱重工業の最大の事業はエナジー(火力発電・原子力)41.3%で、航空防衛宇宙は28.0%。ボーイングは3部門とも航空宇宙。★★採算も正反対。三菱重工業の航空防衛宇宙は10.9%の利益率、ボーイングのコマーシャル・エアプレーンズは17.1%の営業損失
エナジー(41.3%)・航空防衛宇宙(28.0%)・プラントインフラ(16.4%)・物流冷熱ドライブシステム(12.6%)の4事業で、2026年3月期の売上収益は4兆9,742億円。★★★取引の関係があります。 ボーイングは10-Kに「主たる事業は米国・カナダ・オーストラリアにあるが、主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しており、三菱重工業は787の主翼などを供給する側です。★★ただし事業の幅がまったく違います。 三菱重工業は最大の事業がエナジー(火力発電・原子力)で、航空防衛宇宙は1兆3,929億円・28.0%にとどまります。ボーイングは3部門とも航空宇宙です。★★規模はボーイングのほうが大きいです(売上高894億63百万ドル対4兆9,742億円)。★★★採算の形も正反対です。 三菱重工業の航空防衛宇宙のセグメント利益率は10.9%ですが、ボーイングのコマーシャル・エアプレーンズは17.1%の営業損失です。
売上高をボーイングと並べる- 三菱重工業5.0兆円2026年3月期
- ボーイング14.3兆円直近の通期
- 三菱重工業13.6兆円
- ボーイング26.5兆円
川崎重工業7012
★★787の胴体を供給する側。ボーイングの10-Kが挙げる「日本にある主要な供給業者」にあたる。★川崎重工業の航空宇宙システムは6,137億円(26.6%)で、セグメント利益率10.2%。★★★ただし川崎重工業の最大の事業はパワースポーツ&エンジン(二輪車・四輪バギー)6,828億円で、ボーイングにこれに当たる事業は無い。★どちらも米国が大きな市場(ボーイング53.7%・川崎重工業32.2%)
パワースポーツ&エンジン(29.5%)・航空宇宙システム(26.6%)・エネルギーソリューション&マリン(18.8%)など6事業で、2026年3月期の売上収益は2兆3,113億円。★★787の胴体を供給する側です。 ボーイングの10-Kが挙げる「日本にある主要な供給業者」にあたります。★★川崎重工業の航空宇宙システムは6,137億円・26.6%で、セグメント利益率は10.2%です。★★★ただし川崎重工業の最大の事業はパワースポーツ&エンジン(二輪車・四輪バギー)6,828億円で、ボーイングにこれに当たる事業はありません。★規模はボーイングが約6.2倍です。★どちらも米国が大きな市場です(ボーイングは53.7%、川崎重工業は米国7,438億円で32.2%)。
売上高をボーイングと並べる- 川崎重工業2.3兆円2026年3月期
- ボーイング14.3兆円直近の通期
- 川崎重工業2.3兆円
- ボーイング26.5兆円
IHI7013
★★787の機体構造を供給する側。★★★ただしIHIの主力は航空機エンジンの部品で、機体を作るボーイングとは工程が違う。エンジンではGEエアロスペースやプラット&ホイットニー(RTX)の側に近い立ち位置。★IHIの航空宇宙防衛は6,481億円(39.4%)・利益率17.3%で、日本側3社で最も高い。★★採算は正反対(IHIは17.3%の利益率、ボーイングのコマーシャル・エアプレーンズは17.1%の営業損失)。★規模は約8.7倍の差
航空宇宙防衛(39.4%)・産業システム汎用機械(26.7%)・資源エネルギー環境(22.7%)・社会基盤(7.9%)の4事業で、2026年3月期の売上収益は1兆6,434億円。★★★日本側3社の中で、航空宇宙の比率が最も高い会社です。 航空宇宙防衛が6,481億円・39.4%を占め、セグメント利益率は17.3%と3社で最も高い水準です。★★ただし主力は航空機エンジンの部品で、ボーイングが作る機体とは工程が違います。エンジンではGEエアロスペースやプラット&ホイットニー(RTX)の側に近い立ち位置です。★787の機体構造も供給しています。★規模はボーイングが約8.7倍です。★★採算は正反対です。 IHIの航空宇宙防衛は17.3%の利益率、ボーイングのコマーシャル・エアプレーンズは17.1%の営業損失です。
売上高をボーイングと並べる- IHI1.6兆円2026年3月期
- ボーイング14.3兆円直近の通期
- IHI3.0兆円
- ボーイング26.5兆円
4社とも決算期と会計基準の組み合わせが異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません。ボーイングは12月期の米国会計基準、三菱重工業・川崎重工業・IHIは3月期のIFRSです。★ボーイングは配当を出していないため、1株当たり配当の欄が空きます。米ドルはページ下部に記載のレートで円換算しています。
よくある質問
ボーイングと正面から重なる日本の会社はどこですか?
どの1社とも正面からは重なりません。競合ではなく、供給する側とされる側の関係です。★★★会社は10-Kに「主たる事業は米国・カナダ・オーストラリアにあるが、主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しています。三菱重工業・川崎重工業・IHIの3社は、いずれも787の機体構造や部品を供給する側です。★当サイトはこの関係を金額では確かめていませんが、会社の記述として日本が名指しされている点は、当ページの重工・防衛の米国5社の中でこの会社だけです。★★航空宇宙の比率ではIHIが最も近い形です(航空宇宙防衛が39.4%)。ただしIHIの主力は航空機エンジンの部品で、機体を作るボーイングとは工程が違います。
2025年12月期に黒字化したのは、事業が立ち直ったからですか?
事業の売却によるものです。★営業利益42億81百万ドルには、損益計算書の「資産の処分による利益(純額)」96億72百万ドルが含まれます。これが無ければ営業損益は△53億91百万ドルでした(当サイトの計算)。★中身はデジタル航空ソリューション事業の売却益95億66百万ドルで、グローバル・サービシズ部門の営業利益134億74百万ドルに入っています。★★★3部門から売却益を除くと合計△32億99百万ドルです(コマーシャル・エアプレーンズ△70億79百万+ディフェンス・スペース&セキュリティ△1億28百万+グローバル・サービシズ39億8百万)。★★直近の四半期(2026年4〜6月期)も、純損益は4億44百万ドルの赤字です。★当サイトは良し悪しを述べません。会社が公表した金額を並べています。
なぜ5期のうち4期が赤字なのですか?
会社は10-Kで次の要因を挙げています。★2024年1月の737-9のドアプラグの事故を受けてFAAが生産の増加を制限したこと、それに伴い737の生産ペースを落とし、工場と供給業者での手戻り作業を減らすために増産計画を遅らせたこと。★サプライチェーンの混乱と制約、労働の不安定さ、インフレ圧力。★2025年には、セントルイス地区の約3,200人を代表するIAM第837地区の従業員が101日間のストライキを行い、同地区の操業に影響したとも記載しています。★★営業利益は△28億70百万ドル(2021年12月期)→△35億19百万→△7億73百万→△107億7百万→+42億81百万ドル、純利益は△42億2百万→△49億35百万→△22億22百万→△118億17百万→+22億35百万ドルです。★2024年12月期の損失118億17百万ドルが5期で最大でした。★当サイトは各要因の寄与額を確認していないため、金額の内訳は書いていません。
受注残はどれくらいですか?
2025年12月末で6,822億7百万ドル(前期5,213億36百万ドル)。売上高894億63百万ドルの7.6倍にあたります。★内訳はコマーシャル・エアプレーンズ5,672億90百万ドル(83.2%)・ディフェンス・スペース&セキュリティ847億86百万ドル・グローバル・サービシズ297億20百万ドルです。★うち契約済みの受注残が6,397億21百万ドル、未確定分が424億86百万ドルです。★会社は「契約済み受注残の増加は主にコマーシャル・エアプレーンズの受注残の増加による」と記載しています。★★同時に「引き渡しの遅れ、経済・業界・顧客側の要因により、受注残の減少や大幅な受注の取り消しが起きうる」とも記載しています。★★当ページのGEエアロスペースは、残存履行義務を1,905億64百万ドルと開示していますが、これは契約済みでまだ売上として認識していない金額で、受注残とは定義が違います。
1株当たり利益と純利益が対応しないのはなぜですか?
分子が違うためです。★同社の2025年12月期は、親会社株主に帰属する純利益22億35百万ドルから、強制転換社債型優先株式の配当3億45百万ドルを引いた「普通株主に帰属する純利益」18億90百万ドルを分子として1株当たり利益を計算しています(基本2.49ドル・希薄化後2.48ドル)。★当サイトが推移の図に描く純利益は22億35百万ドルなので、これを2.48で割ると9億1百万株となり、会社が公表した加重平均株式数7億62百万株より18.3%多く出ます。★★1株あたりの数値の基準が期で混ざっているわけではありません。優先株式の配当は2024年12月期に58百万ドル、2023年12月期は0で、5期のうち直近2期にしかありません。★同社は普通株式の配当を出していません。
日本での売上はどれくらいですか?
開示されていません。 地域別の区分は「顧客の所在地」で、日本はアジア164億66百万ドル(売上の18.4%)に含まれます。★米国が480億83百万ドル・53.7%で、当ページの重工・防衛の米国5社の中では最も米国への偏りが小さいです(ロッキード・マーティンは71.6%、ノースロップ・グラマンは85.7%)。★アジアは前期の119億94百万ドルから37.3%増えました。★★★日本は「顧客」ではなく「供給業者」として10-Kに出てきます。会社は「主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しています。★関税についても、会社は「英国・日本・韓国・マレーシア・欧州連合を含む国々との、WTOの民間航空機貿易協定の範囲」に触れています。★米国政府向け(対外有償軍事援助を含む)は連結売上高の35%で、主にディフェンス・スペース&セキュリティとグローバル・サービシズに計上されています。
今期の見通しの節がないのはなぜですか?
会社が通期の見通しを公表していないためです。 10-K・四半期報告書・決算発表資料のいずれにも、売上高や利益の見通しの数値がありません。★★当ページの重工・防衛の米国5社の中で、これは珍しい形ではありません。GEエアロスペースは見通しを公表していますが、示している数値はすべて非GAAP(調整後売上高・営業利益・調整後1株当たり利益・フリーキャッシュフロー)で、当サイトはGAAPの数値を載せる方針のため表を出していません。★三菱重工業・川崎重工業・IHIは決算短信で売上収益・営業利益・当期利益を金額で示します。資料の位置づけが違います。
中期経営計画はありますか?
会社は売上高・利益率・ROEなどの中長期の数値目標を、SECの提出書類では公表していません。★通期の見通しすら公表していないため、複数年にわたる数値目標の一覧もありません。★三菱重工業の「2024事業計画」、川崎重工業・IHIの中期経営計画にあたるものを、ボーイングはSECの提出書類に出していません。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、ボーイングは12月末、三菱重工業・川崎重工業・IHIは3月末です。直近の四半期の実績は、会社が2026年7月28日にSECへ提出した四半期報告書(Form 10-Q)によります。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。
注記(4件)
- 売上高と利益の推移
- △149億99百万ドル(2021年12月期)→△158億83百万→△172億33百万→△39億8百万→+54億54百万ドル(2025年12月期)。2025年12月期に5期ぶりにプラスへ戻っています。★分母が負のときのROEと自己資本比率は意味を持たないため、マイナスの4期については図に描いていません。★総資産は1,385億52百万ドルから1,682億35百万ドルへ増えており、減っていたのは自己資本の側です。★★同社は5期のうち4期が赤字で、損失が積み上がったことが背景にあります。★当サイトは良し悪しを述べません。会社が公表した金額を並べています。
- ★★★5期のうち4期が赤字です。営業利益は△28億70百万ドル(2021年12月期)→△35億19百万→△7億73百万→△107億7百万→+42億81百万ドル(2025年12月期)。純利益は△42億2百万→△49億35百万→△22億22百万→△118億17百万→+22億35百万ドルです。★★2024年12月期の損失118億17百万ドルは5期で最大でした。会社は10-Kで、2024年1月の737-9のドアプラグの事故を受けてFAAが生産の増加を制限し、737の生産ペースを落としたこと、サプライチェーンの混乱、労働の不安定さ、インフレ圧力を挙げています。★2025年には、セントルイス地区の約3,200人を代表するIAM第837地区の従業員が101日間のストライキを行い、同地区の操業に影響したとも記載しています。★★★2025年12月期の黒字化は、事業の売却益によるものです。損益計算書の「資産の処分による利益(純額)」96億72百万ドルが無ければ、営業損益は△53億91百万ドルの赤字でした(当サイトの計算)。★★売上高は5期で622億86百万ドルから894億63百万ドルへ43.6%増えました。とくに2025年12月期は665億17百万→894億63百万ドルへ34.5%増えています。2025年12月に完了したスピリット・エアロシステムズの買収も影響しています。★★同社は配当を出していません。★2025年12月期には、強制転換社債型優先株式の配当3億45百万ドルが純利益から差し引かれ、普通株主に帰属する純利益は18億90百万ドルになっています。★ROEと自己資本比率は会社が公表していないため当サイトが計算しています(ROEの分母は期首と期末の自己資本の平均、自己資本比率は期末の自己資本÷期末の総資産)。
- 部門ごとの売上と利益
- グローバル・サービシズの部門営業利益134億74百万ドルには、デジタル航空ソリューション事業の売却益95億66百万ドルが含まれています。★★これを除くと3部門の合計は△32億99百万ドル(コマーシャル・エアプレーンズ△70億79百万+ディフェンス・スペース&セキュリティ△1億28百万+グローバル・サービシズ39億8百万)で、赤字です(当サイトの計算)。★連結の損益計算書でも「資産の処分による利益(純額)」が96億72百万ドルあり、これが無ければ営業損益は△53億91百万ドルでした。★★部門の利益は「Segment operating (loss)/earnings」で、会社は10-Kに「最高経営意思決定者(社長兼最高経営責任者)が部門の業績を見るために使う主たる収益性の尺度」と記載しています。年次の計画策定で経営資源を配分し、前期・予測・年度計画と比べて監視するとしています。★3部門の売上の合計896億51百万ドルから、部門に配分していない項目・消去その他1億88百万ドルを引くと、連結の売上高894億63百万ドルになります。★グローバル・サービシズの売上には、他の部門へ提供した製品とサービスが含まれると会社は記載しています。
- 「部門の利益」が何を指すかは会社によって違います。掲載している会社の基準の一覧を用語集に置いています。
- 地域別の売上
- 会社が10-Kの注記24で開示した区分をそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。★米国が売上高の53.7%(480億83百万ドル)を占めます。当ページの重工・防衛の米国5社の中では最も米国への偏りが小さいです(ロッキード・マーティンは71.6%、ノースロップ・グラマンは85.7%)。★★アジアが164億66百万ドル・18.4%と大きく、前期の119億94百万ドルから37.3%増えました。★区分は「顧客の所在地」で、対外有償軍事援助(FMS)を含むと会社は注記しています。★米国政府向け(FMSを含む)は連結売上高の35%で、主にディフェンス・スペース&セキュリティとグローバル・サービシズに計上されています(前期42%、前々期37%)。★★★会社は「主たる事業は米国・カナダ・オーストラリアにあるが、主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と10-Kに明記しています。日本の重工3社は、この「主要な供給業者」の側にあたります。★関税についても、会社は「英国・日本・韓国・マレーシア・欧州連合を含む国々との、WTOの民間航空機貿易協定の範囲」に触れています。★米国外にある事業用資産は約4%にとどまります。★8区分の合計は連結の売上高と一致します。
- 最新の決算
- 当サイトが原文を翻訳・加工したものではありません。増減は前年の同じ期間との比較です。★3か月(2026年4月1日〜6月30日)の数値です。★★売上高は8.0%増え、営業損益は1億76百万ドルの赤字から1億56百万ドルの黒字へ転じました。★★ただし純損益は4億44百万ドルの赤字です(前年同期は6億11百万ドルの赤字)。支払利息が営業利益を上回るためで、2025年12月期の支払利息は27億71百万ドルでした。★★通期で黒字だった2025年12月期も、四半期ごとに見ると赤字の四半期があります。2025年7〜9月期の純損益は53億37百万ドルの赤字、2026年1〜3月期は4百万ドルの赤字でした。★★通期の黒字が事業の売却益によるものだったことと合わせて読む必要があります。★前年同期の営業損益が赤字のため、その期の売上高営業利益率は出していません。
出典
部門別・地域別の売上高、四半期決算は、同社が公表した次の資料から当サイトが書き写しました(2025年12月期 Form 10-K(2026-01-30 公表)/2026年12月期 第2四半期 Form 10-Q(2026-07-28 公表))。5期の推移(売上高・利益・総資産・キャッシュ・フロー等)と発行済株式数は、米国SECに提出されたXBRLデータによります。金額は1米ドル=160.04円、株価と時価総額は1米ドル=160.04円で円に直しています(レートの出典はYahoo Finance)。
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