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重工・防衛Heavy Industry & Defense

日本の顔ぶれ

アメリカの対応企業

ボーイングBA

The Boeing Company

コマーシャル・エアプレーンズ(46.3%)・ディフェンス・スペース&セキュリティ・グローバル・サービシズの3部門。5期のうち4期が赤字で、2025年12月期の黒字化は事業の売却益95億66百万ドルによるもの。受注残6,822億7百万ドル。無配。売上高89.5十億ドル。

  • 売上高14.2兆円
  • 純利益3,548億円
  • 時価総額24.6兆円
  • 株価198.07USD
  • 掲載企業内シェア23.6%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業
  • IHI

RTXRTX

RTX Corp

プラット&ホイットニー37.2%、レイセオン31.6%、コリンズエアロスペース31.2%の3セグメントがほぼ均等。商用と軍・政府の両方を顧客とし、米国向けは53.4%。

  • 売上高14.1兆円
  • 純利益1.1兆円
  • 時価総額40.1兆円
  • 株価189.40USD
  • 掲載企業内シェア23.4%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業
  • IHI

ロッキード・マーティンLMT

Lockheed Martin Corp

航空40.3%、回転翼&ミッションシステム23.1%、ミサイル&火器管制19.3%、宇宙17.4%の4事業。米国向けが71.6%。

  • 売上高11.9兆円
  • 純利益7,964億円
  • 時価総額18.8兆円
  • 株価519.56USD
  • 掲載企業内シェア19.8%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業
  • IHI

GEエアロスペースGE

GE Aerospace

民間エンジン・サービス(75.9%)と防衛・推進技術の2部門。2023年にGEヘルスケア、2024年にGEベルノバを分離して航空機エンジン専業になった。売上の66.7%がサービス。残存履行義務1,905億64百万ドル。売上高45.9十億ドル。

  • 売上高7.3兆円
  • 純利益1.4兆円
  • 時価総額53.3兆円
  • 株価327.09USD
  • 掲載企業内シェア12.1%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • IHI
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業

ノースロップ・グラマンNOC

Northrop Grumman Corp /DE/

10-Kで主要な顧客を米国の国防機関と情報機関と説明する。地域別で米国が85.7%。当サイトが自動取得しているXBRLに事業別の次元は無いが、10-Kの Segment Operating Results には4部門の内訳がある(個票に載せている)。売上高は42.0十億ドルで、米国6社ではGEベルノバに次いで小さい。

  • 売上高6.7兆円
  • 純利益6,638億円
  • 時価総額11.4兆円
  • 株価510.52USD
  • 掲載企業内シェア11.1%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業
  • IHI

GEベルノバGEV

GE Vernova Inc.

パワー(51.9%)・エレクトリフィケーション(25.3%)・ウィンド(23.9%)の3部門。2024年4月2日にGEから分離した発電と送配電の会社で、防衛事業は持たない。ガスタービンの受注は2025年に173台・29.8GW。受注残1,502億38百万ドルは売上高の3.9倍。部門の利益はセグメントEBITDA。売上高38.1十億ドル。

  • 売上高6.0兆円
  • 純利益7,752億円
  • 時価総額40.1兆円
  • 株価957.63USD
  • 掲載企業内シェア10.0%
  • 決算期FY2025 · 米国基準
対応する日本企業
  • 三菱重工業
  • 川崎重工業
  • IHI

カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。

規模の比較

日米の掲載企業の売上高の比較(円換算)ボーイングFY2025 · 米国基準14.2兆円RTXFY2025 · 米国基準14.1兆円ロッキード・マーティンFY2025 · 米国基準11.9兆円GEエアロスペースFY2025 · 米国基準7.3兆円ノースロップ・グラマンFY2025 · 米国基準6.7兆円GEベルノバFY2025 · 米国基準6.0兆円三菱重工業2026年3月期 · IFRS5.0兆円川崎重工業2026年3月期 · IFRS2.3兆円IHI2026年3月期 · IFRS1.6兆円

日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。

日米の構造の違い

日本側は「重工」、米国側は「防衛」

同じページに並べていますが、事業の重心が違います。

日本側3社の報告セグメントを並べると、防衛・航空宇宙は複数ある事業の1つです。

米国側3社は、いずれも自社を「aerospace and defense(航空宇宙と防衛)」の会社と説明しています。発電設備や鉄道車両にあたる事業はありません。

川崎重工業は二輪車を作っている

川崎重工業の報告セグメントの1つ「パワースポーツ&エンジン」は、有価証券報告書に二輪車、オフロード四輪車(SxS・ATV)、パーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンの製造・販売と書かれています。

米国6社に、これに当たる事業はありません。日本の重工メーカーが持つ事業の幅を示す例です。

米国向けの比率に差がある

米国6社は、地域別の内訳から米国への集中度が読み取れます。

RTXの比率がロッキード・マーティンやノースロップ・グラマンより低いのは、商用の航空機エンジン(プラット&ホイットニー)と機体システム(コリンズエアロスペース)を持つためです。10-Kには「commercial, military, and government customers(商用・軍・政府の顧客)」と書かれています。

ノースロップ・グラマンは10-Kで、主に米国の国防機関と情報機関に納めると説明しています。

正面から競合する組み合わせは1件だけ

この業界で、正面から競合していると書ける組み合わせは1件です。三菱重工業のエナジーと、GEベルノバのパワーです。

どちらもガスタービンを中心とする発電設備とその保守で、規模はGEベルノバのパワー(約3兆1,376億円)のほうが大きい形です。★利益の定義が違うので、利益率はそのまま比べられません(三菱重工業は営業利益に準じる区分利益、GEベルノバは減価償却費などを引く前のセグメントEBITDA)。

それ以外の組み合わせは、正面から競合しているとは書けません。日本側が総合重工で、米国側の5社が航空宇宙・防衛に集中しているため、事業の重心が揃わないからです。

小売のページは0件ですが、理由は違います。小売は業態(何をどう売るか)が細かく分かれるためで、重工は事業の範囲そのものが違うためです。

重なりの大きさが業界によって偏ることは、確認の甘さではなく業界の性質です。

事業別の内訳は6社とも開示している

2026年8月21日に6社の個票を作った際、10-Kと有価証券報告書を直接読んで、6社すべての部門別の売上と利益を取得しました。当サイトが自動取得しているXBRLに事業別の次元が無い会社(ノースロップ・グラマン)や、個別セグメントの数値が取れていなかった会社(IHI)がありましたが、開示されていなかったわけではありません。

各社の部門別の内訳は、それぞれの個票に載せています。

★民間機と防衛機で、採算がまったく違う

このページの米国企業は、発電と送配電のGEベルノバを除くと、民間航空機を扱う会社と防衛が中心の会社に分かれます。そして採算の形が正反対です。

★★★同じ「民間航空機」でも、機体を作るボーイングは赤字、エンジンとその整備を売るGEエアロスペースは26.6%の利益率です。★日本側では、IHIの航空宇宙防衛が17.3%、川崎重工業の航空宇宙システムが10.2%、三菱重工業の航空防衛宇宙が10.9%です。

★★GEエアロスペースの高い利益率は、売上の66.7%が「サービス」であることと結びついています。エンジン本体より、その後の整備・部品供給で稼ぐ構造です。

★受注残と残存履行義務は、定義が違う

この業界の会社は、将来の売上につながる契約の残りを開示します。ただし呼び方と定義が違います。

★★ボーイングの受注残には、契約済み6,397億21百万ドルと未確定424億86百万ドルが含まれます。会社は「引き渡しの遅れなどにより、受注残の減少や大幅な受注の取り消しが起きうる」と記載しています。

★★★GEエアロスペースの残存履行義務は、認識までの期間がきわめて長いのが特徴です。サービス分は15年以内に86%が認識される見込みとされています。エンジンの整備契約が数十年に及ぶためです。

★日本の重工3社は、ボーイングの「供給業者」の側にある

★★★ボーイングは10-Kに「主たる事業は米国・カナダ・オーストラリアにあるが、主要な供給業者と下請けの一部は欧州と日本にある」と明記しています。

三菱重工業・川崎重工業・IHIの3社は、いずれも787の機体構造や部品を供給する側です。★当サイトはこの関係を金額では確かめていません。

★★GEエアロスペースも日本に触れています。「2025年後半に、米国は欧州連合・英国・日本・韓国との間で航空宇宙機器についてゼロ対ゼロの関税合意を結び、相互に関税を撤廃することとした」と10-Kに記載しています。

★つまりこの業界の日米の関係は、「競合」よりも「取引」で結ばれています。日用品や医薬品のように同じ顧客を奪い合う形ではありません。

★GEは、日本の重工3社と逆の道を歩いた

★★★GEエアロスペースは2023年1月にGEヘルスケア、2024年4月2日にGEベルノバ(電力・送配電)を分離し、航空機エンジンの専業になりました。

★★★このページには、分かれた相手のGEベルノバも載っています。GEエアロスペースは民間エンジン・サービスが75.9%、GEベルノバはパワーが51.9%です。同じ会社だった2つを並べて見られます。

三菱重工業は、GEが分けた事業を1社で抱えています。火力発電のガスタービン(エナジー41.5%)・航空機エンジンの部品(航空防衛宇宙28.0%)・産業機械を同じ会社の中に持ちます。★★したがって三菱重工業は、GEエアロスペースともGEベルノバとも一部で重なります。正面から重なるのはエナジーとパワーの組み合わせです。

★★当ページのGEエアロスペースの2021年12月期の売上高564億69百万ドルは、GEベルノバを含む基準です。2022年12月期の291億39百万ドルとのあいだの48.4%の減少は、事業の縮小ではなく集計する範囲の変更です。

★日本の重工3社は、いずれも分離ではなく多角化を続けています。川崎重工業の最大の事業は二輪車を含むパワースポーツ&エンジン(29.5%)です。

よくある質問

三菱重工業のアメリカ版はどこですか?

★★★部門どうしで正面から重なるのはGEベルノバです。三菱重工業のエナジー(2兆626億円・売上収益の41.5%)と、GEベルノバのパワー(197億67百万ドル・売上高の51.9%)は、どちらもガスタービンを中心とする発電設備とその保守です。規模はGEベルノバのパワー(約3兆1,376億円)のほうが大きい形です。★★ただし会社全体では違います。三菱重工業は航空・防衛・宇宙が売上の28.0%を占めますが、GEベルノバは防衛事業を持ちません。★会社全体としての事業の重なりが広いのはRTXです。双方とも航空機用エンジンと防衛の事業を持ちます。ただし三菱重工業は火力・原子力・風力の発電システムを持ち、RTXは商用の航空機システムが大きいため、事業の重心は違います。

正面から競合していると書ける組み合わせが1件しかないのはなぜですか?

日本側3社が総合重工で、防衛・航空宇宙が複数ある事業の1つにとどまるためです。米国側の5社(RTX・ロッキード・マーティン・ノースロップ・グラマン・ボーイング・GEエアロスペース)は自社を航空宇宙・防衛または航空機エンジンの会社と説明しており、発電設備や鉄道車両にあたる事業を持ちません。事業の重心が揃いません。★★★唯一の例外がGEベルノバです。同社は発電と送配電だけの会社で、三菱重工業のエナジーと正面から重なります。

川崎重工業とカワサキのバイクは同じ会社ですか?

有価証券報告書の報告セグメント「パワースポーツ&エンジン」に、二輪車、オフロード四輪車、パーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンの製造・販売と記載されています。同じ会社グループの事業です。

各社の防衛事業だけの売上は分かりますか?

部門の名前で切り出した金額は分かりませんが、顧客で見た金額なら分かる会社があります。

★部門の区分は、いずれも民間向けを含みます。三菱重工業の「航空・防衛・宇宙」には民間航空機が、IHIの「航空・宇宙・防衛」には民間向け航空エンジンが入ります。開示されていないものを推測で補うことはしません。

RTXは防衛の会社ではないのですか?

10-Kには「an aerospace and defense company」と書かれており、防衛は主要な事業の1つです。同時に「commercial, military, and government customers」に向けて事業を行うとも書かれています。3つの報告セグメントの構成比はほぼ均等で、米国向けの比率は53.4%で、防衛が中心のロッキード・マーティン(71.6%)とノースロップ・グラマン(85.7%)より低くなっています。

数値はいつ時点のものですか?

決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。米国6社は12月期、日本3社は3月期です。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。

注記(2件)
アメリカの対応企業
日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。
規模の比較
米ドルはページ下部のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業6社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。

出典

売上高・純利益は各社の直近の通年決算(米国企業 FY2025/日本企業 2026年3月期)によります。出典は米国SEC(証券取引委員会)の年次報告書(10-K)、金融庁EDINETの有価証券報告書、株価はYahoo Finance。金額の円換算は1米ドル = 158.73円、株価と時価総額は1米ドル = 157.06円。

投資判断は自己責任で行ってください。

当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。

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