ジョンソン・エンド・ジョンソン

基本情報

ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJNYSE

JOHNSON & JOHNSON

医療用医薬品(64.1%)と医療機器(35.9%)の2部門。8社で唯一、医薬品以外に大きな柱を持つ。

売上高は15.1兆円で、武田薬品工業(4.5兆円)の約3.3倍。従業員は約138,200人。

  • 時価総額103.4兆円
  • 売上高15.1兆円
  • 営業利益
  • 純利益4.3兆円
  • 株価268.04USD
  • PER24.3倍
  • PBR7.92倍
  • ROE35.0%
  • 配当利回り1.92%
正式社名
JOHNSON & JOHNSON
会計基準
米国会計基準(US GAAP)
SECへの登録業種
Pharmaceutical PreparationsSIC 2834
発行済株式数
2,409,898,597 株
1株あたり利益(EPS)
11.03 米ドルFY2025・希薄化後
1株あたり配当金
5.14 米ドルFY2025
従業員数
約138,200 人10-Kの記載は「約138,200人」。世界のほぼすべての国で事業を行うと記載

売上高と利益の推移

売上高と純利益の推移(兆円)(利益率)0.00.0%4.015.0%8.030.0%12.045.0%16.060.0%12.63.3FY202112.82.9FY202213.65.6FY202314.22.3FY202415.14.3FY202526.5%22.4%41.3%15.8%28.5%売上高純利益純利益率

財務ハイライト(過去5期)

純利益・ROE

純利益・ROE(兆円)0.00.0%1.515.0%3.030.0%4.545.0%6.060.0%FY21FY22FY23FY24FY25純利益ROE

総資産・自己資本・自己資本比率

総資産・自己資本・自己資本比率(兆円)0.00.0%8.015.0%16.030.0%24.045.0%32.060.0%FY21FY22FY23FY24FY25総資産自己資本自己資本比率

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フロー(億円)▲40,000▲20,000020,00040,000FY21FY22FY23FY24FY25営業投資財務

1株あたり利益(EPS・希薄化後)

1株あたり利益(EPS・希薄化後)(米ドル)0481216FY21FY22FY23FY24FY25EPS
決算期売上高前期比純利益純利益率
FY20252025-12-28期末150,745億円+6.0%42,897億円28.5%
FY20242024-12-29期末142,147億円+4.3%22,511億円15.8%
FY20232023-12-31期末136,287億円+6.5%56,258億円41.3%
FY20222023-01-01期末128,014億円+1.6%28,712億円22.4%
FY20212022-01-02期末126,014億円33,413億円26.5%

直近5期の通年決算です。

事業の概要

イノベーティブ・メディスン

医療用医薬品の部門。オンコロジー・免疫・ニューロサイエンス・肺高血圧症・感染症・心血管代謝の6領域を扱う。卸・小売・医療機関へ直接販売する

売上構成比 64.1%売上構成比64.1%96,665億円

利益構成比84.4%35,634億円・利益率36.9%

強み・実績
  • ★★売上高604億1百万ドルで連結の64.1%。前期の569億64百万ドルから6.0%増えた
  • ★★★最大の製品はダルザレックス(ダラツムマブ)143億51百万ドルで、単独で連結の売上高の15.2%にあたる。多発性骨髄腫の治療薬で、前期比23.0%増
  • ★★ステラーラは41.3%減った(103億61百万ドル→60億78百万ドル)。バイオシミラーの参入による。一方トレムフィアが40.5%増(36億70百万→51億55百万ドル)で、同じ免疫領域の中で入れ替わっている
  • ★研究開発費118億27百万ドル(前期135億29百万ドル)
主な製品・サービス
  • ダルザレックス/ダルザレックス ファスプロ(多発性骨髄腫)
  • トレムフィア(乾癬・炎症性腸疾患)
  • ステラーラ(乾癬ほか)
  • インヴェガ サスティナ/トリンザ(統合失調症)
  • エルレアダ(前立腺がん)
  • イグザレルト(血栓症)
  • スプラバト(治療抵抗性うつ病)

メドテック

医療機器の部門。心血管・外科・整形外科・ビジョン(コンタクトレンズ・眼科手術)の4分野を扱う

売上構成比 35.9%売上構成比35.9%54,080億円

利益構成比15.6%6,582億円・利益率12.2%

強み・実績
  • ★★売上高337億92百万ドルで連結の35.9%。前期の318億57百万ドルから6.1%増えた
  • ★★★部門の利益率は12.2%で、イノベーティブ・メディスンの36.9%の3分の1。医薬品と医療機器で採算の構造が違うことが、同じ会社の中で見える
  • ★★2025年10月に整形外科事業の分離を公表した。会社は10-Qに「複数の方法を検討しており、最初の公表から18〜24か月以内の完了を目指す」と記載している
  • ★心血管分野が89億28百万ドルで15.8%増と最も伸びた
主な製品・サービス
  • 電気生理学(不整脈治療のカテーテル)
  • アブアイオメド(心臓ポンプ)
  • 外科(手術器具・創傷閉鎖)
  • 整形外科(股関節・膝関節・脊椎・外傷)
  • アキュビュー(コンタクトレンズ)
146億65百万ドル研究開発費2025年12月期の2部門の合計(イノベーティブ・メディスン118億27百万ドル+メドテック28億38百万ドル)。売上高の15.6%にあたる。★前期は172億32百万ドルで、イノベーティブ・メディスンで135億29百万→118億27百万ドルへ減っている
約70億ドルタルク関連引当金の戻し入れ2025年12月期。部門に配分しない損益に計上されている。2024年12月期は約51億ドル、2023年12月期は約70億ドルの引当(費用)だった。★戻し入れは2025年の第1四半期に立っており、同四半期の純利益は109億99百万ドルだった
143億51百万ドル最大の製品(ダルザレックス)2025年12月期。多発性骨髄腫の治療薬で、連結の売上高の15.2%。前期比23.0%増。★当ページの8社の中では集中度が低いほうで、バーテックスは1製品で85.9%、ギリアドは1製品で48.7%を占める
48.4%上位3社の卸が占める比率2025年12月期の総売上高に対する比率(約21.8%・15.5%・11.1%)。★米国の医薬品はごく少数の卸を通して流れる。アムジェンは3社で77%、ギリアド・サイエンシズは3社で74%

注目ポイント

  • ★★★1社の中に「医薬品」と「医療機器」が両方あるイノベーティブ・メディスン(医療用医薬品)が604億1百万ドル・64.1%、メドテック(医療機器)が337億92百万ドル・35.9%です。★★部門の利益率は36.9%対12.2%で、3倍の開きがあります。同じ会社の中で、医薬品と医療機器の採算の構造の違いが見えます。★メドテックだけで337億92百万ドル(約5兆4,082億円)あり、これはオリンパス(2026年3月期の売上収益9,832億円)の約5.5倍にあたります。★★当サイトはこの会社を医薬品の業界ページに置いています。売上の64.1%が医薬品であるためですが、医療機器の会社としても国内最大級の規模を持つことは押さえておく必要があります。
  • ★★★タルク訴訟の引当金が3期にわたって利益を動かした会社は部門に配分しない損益に、タルク(ベビーパウダー)をめぐる訴訟の引当金を計上しています。★2023年12月期は約70億ドルの引当、2024年12月期は約51億ドルの引当、そして2025年12月期は約70億ドルの戻し入れです。★★この戻し入れは2025年の第1四半期に立っています。同四半期の純利益は109億99百万ドルで、前後の四半期(50億〜55億ドル)の約2倍でした。★2026年12月期の第1〜第2四半期には、これに当たる項目はありません。そのため2026年の上半期の税引前利益127億37百万ドルは、前年同期の201億22百万ドルから減って見えます。会社は10-Qに「2025年の上半期には約70億ドルのタルク引当金の戻し入れが含まれる」と明記しています。
  • ★★整形外科事業の分離を公表している会社は2025年10月に整形外科事業を分離する意向を公表しました。10-Qには「複数の方法を検討しており、最初の公表から18〜24か月以内の完了を目指す」と記載されています。★整形外科はメドテック部門の4分野の1つで、股関節・膝関節・脊椎・外傷を扱います。★完了すれば、メドテック部門の売上と部門利益の規模が変わります。当ページの部門の表は分離前のものです。★同社は2023年にもコンシューマーヘルス事業(ケンビュー)を分離しており、5期の推移のうち古い2期はその組み替え後の数字です。
  • ★上位3社の卸で総売上の48.4%会社は10-Kに、2025年12月期は3社の卸が総売上高のそれぞれ約21.8%・15.5%・11.1%を占めたと記載しています(合計48.4%)。2024年12月期は20.5%・15.6%・12.3%、2023年12月期は18.2%・15.1%・14.2%でした。★米国の医薬品はごく少数の卸を通して流れます。当ページのアムジェンは3社で総売上の77%、ギリアド・サイエンシズも3社で総売上の74%です。

部門ごとの売上と利益

2025年12月期(2024年12月30日〜2025年12月28日)10-Kの注記17より

部門売上高部門の利益利益率
イノベーティブ・メディスン96,665億円35,634億円36.9%
メドテック54,080億円6,582億円12.2%
部門に配分していない損益9,926億円
連結(税引前利益)150,745億円52,142億円34.6%

★★★部門の利益は営業利益ではなく「税引前の部門利益(segment income before tax)」です。

地域別の売上

地域別の売上高2025年12月期(2024年12月30日〜2025年12月28日)

  • 米国 57.1%57.1%86,024億円米国
  • 欧州 22.9%22.9%34,464億円欧州
  • アジア太平洋・アフリカ 14.9%14.9%22,455億円アジア太平洋・アフリカ
  • 西半球(米国を除く) 5.2%5.2%7,802億円西半球(米国を除く)

2025年12月期(2024年12月30日〜2025年12月28日)の地域別の売上高です。

最新の決算

2026年4〜6月期2026-07-15 公表

項目2026年4〜6月期2025年4〜6月期増減
売上高40,506億円37,998億円+6.6%
税引前利益10,798億円10,388億円+3.9%
純利益8,857億円8,861億円-0.1%

会社が公表した決算資料の数値です。

会社が公表している今期の見通し

2026年12月期の見通し2026-07-15 公表

項目会社の見通し前期比
売上高161,798億円+7.3%
  • ★★★会社がGAAPの金額で示している通期の見通しは、売上高だけです。利益は「調整後1株当たり利益11.68ドル」という非GAAPの指標でしか公表していませんそのため上の表は1行だけです。
  • 会社は7月15日にこの見通しを引き上げています。調整後1株当たり利益の見通しを0.13ドル引き上げ、中間値で8.2%増としました。
  • ★★会社は「2026年に年間売上1,000億ドル超という目標に、創業140年で初めて到達する道筋にある」と決算発表資料に記載しています。
  • +7.3%は会社が「中間値で7.3%」と記載した数値です。当サイトが計算した941億93百万ドルからの伸びも7.3%で一致します。

これは会社が公表した数値であり、当サイトの予測ではありません。

日本企業との違い

武田薬品工業4502

扱う疾患領域が重なる(オンコロジー・ニューロサイエンス・消化器/免疫)。★★ただし規模が違い、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品部門604億1百万ドルだけで武田薬品工業の連結売上収益を上回る。★★武田薬品工業は血漿分画製剤1兆575億円(23.5%)を持ち、ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療機器337億92百万ドルを持つ。どちらも相手に無い柱。★海外比率は武田薬品工業のほうが高い(90.4%対42.9%)

「医薬品事業」の単一セグメントで、2026年3月期の売上収益は4兆5,057億円。ビジネスエリア別では消化器系疾患1兆4,075億円(31.2%)が最大です。★★日米の医薬品会社の中で、規模がもっとも近い相手ではありません。 ジョンソン・エンド・ジョンソンの売上高941億93百万ドルのうち、医療用医薬品(イノベーティブ・メディスン)だけで604億1百万ドルあり、これだけで武田薬品工業の連結売上収益を上回ります。★★扱う疾患領域は重なります。 両社ともオンコロジー・ニューロサイエンス・消化器/免疫を柱に持ちます。武田薬品工業は加えて血漿分画製剤1兆575億円(23.5%)を持ち、ジョンソン・エンド・ジョンソンにこれに当たる事業はありません。★★★逆にジョンソン・エンド・ジョンソンは医療機器(メドテック)337億92百万ドルを持ちます。 武田薬品工業は医薬品だけの会社です。★海外比率は武田薬品工業のほうが高いという珍しい関係です。武田薬品工業は海外90.4%、ジョンソン・エンド・ジョンソンは米国が57.1%です。

売上高をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • 武田薬品工業4.5兆円2026年3月期
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン15.1兆円直近の通期
時価総額をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • 武田薬品工業9.2兆円
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン103.4兆円

第一三共4568

オンコロジーで重なる(第一三共はエンハーツ、ジョンソン・エンド・ジョンソンはダルザレックス143億51百万ドル=連結の15.2%)。★★どちらも一般用・消費者向けの事業を持っていた。第一三共は第一三共ヘルスケア(4.3%)を今も持ち、ジョンソン・エンド・ジョンソンは2023年にケンビューとして分離した。★地域構成は逆向き(第一三共は日本27.3%、ジョンソン・エンド・ジョンソンは日本を独立開示していない)

「医薬品事業」の単一セグメントで、2026年3月期の売上収益は2兆1,230億円。医療用医薬品が95.6%を占めます。★★どちらも一般用・消費者向けの事業を子会社に持っていた点が共通します。 第一三共は第一三共ヘルスケア(一般用医薬品)を今も持ち、売上の4.3%(907億円)です。ジョンソン・エンド・ジョンソンは2023年にコンシューマーヘルス事業をケンビューとして分離しました。同社の5期の推移のうち古い2期は、この分離を反映して組み替えられた数字です。★オンコロジーが両社の重なりです。 第一三共はエンハーツを中心に据え、ジョンソン・エンド・ジョンソンはダルザレックス143億51百万ドル(連結の15.2%)を最大の製品としています。★★地域構成は逆向きです。 第一三共は米国35.3%・日本27.3%で日本が大きく、ジョンソン・エンド・ジョンソンは米国57.1%で日本は独立して開示されていません(アジア太平洋・アフリカ140億31百万ドルに含まれます)。

売上高をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • 第一三共2.1兆円2026年3月期
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン15.1兆円直近の通期
時価総額をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • 第一三共5.6兆円
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン103.4兆円

アステラス製薬4503

★★前立腺がんの領域で正面から重なる。アステラス製薬のXTANDI(エンザルタミド)と、ジョンソン・エンド・ジョンソンのエルレアダ(アパルタミド)35億74百万ドル・ザイティガ5億2百万ドル。★★ただし製品の集中度が違う。アステラス製薬はXTANDIで44.9%、ジョンソン・エンド・ジョンソンは最大のダルザレックスでも15.2%。★アステラス製薬は医薬品だけの会社で、医療機器337億92百万ドルに当たる事業は無い

「医薬品事業」の単一セグメントで、2026年3月期の売上収益は2兆1,392億円。XTANDI1製品で44.9%(9,608億円)を占めます。★★製品の集中度が大きく違います。 アステラス製薬はXTANDIで44.9%ですが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは最大のダルザレックスでも15.2%です。★★前立腺がんの領域で正面から重なります。 アステラス製薬のXTANDI(エンザルタミド)と、ジョンソン・エンド・ジョンソンのエルレアダ(アパルタミド)35億74百万ドル・ザイティガ5億2百万ドルは、いずれも前立腺がんの治療薬です。★アステラス製薬は医薬品だけの会社で、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療機器(337億92百万ドル)に当たる事業はありません。★ROEの動き方も違います。 アステラス製薬は1.1%→3.3%→17.4%とV字を描き、ジョンソン・エンド・ジョンソンはタルク引当金の引当と戻し入れで振れています。どちらも本業の変化ではなく、一過性の項目によるものです。

売上高をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • アステラス製薬2.1兆円2026年3月期
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン15.1兆円直近の通期
時価総額をジョンソン・エンド・ジョンソンと並べる
  • アステラス製薬4.3兆円
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン103.4兆円

4社とも決算期と会計基準の組み合わせが異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません。ジョンソン・エンド・ジョンソンは12月末に終わる会計年度の米国会計基準、武田薬品工業・第一三共・アステラス製薬は3月期のIFRSです。★ジョンソン・エンド・ジョンソンの決算期は52/53週制で、「12月31日にいちばん近い日曜日」に終わります。2025年12月期は2024年12月30日から2025年12月28日までです。米ドルはページ下部に記載のレートで円換算しています。

よくある質問

ジョンソン・エンド・ジョンソンと正面から重なる日本の会社はどこですか?

どの1社とも正面からは重なりません。 理由は2つあります。★★1つは規模です。 医療用医薬品(イノベーティブ・メディスン)だけで604億1百万ドルあり、これだけで武田薬品工業の連結売上収益を上回ります。★★★もう1つは、医薬品と医療機器の両方を持つことです。 メドテック(医療機器)は337億92百万ドルで売上の35.9%を占めます。日本側3社はいずれも医薬品だけの会社です。★疾患領域では重なります。 オンコロジー(武田薬品工業・第一三共)、ニューロサイエンス(武田薬品工業)、前立腺がん(アステラス製薬)がそれぞれ対応します。

なぜ推移の図が営業利益ではなく純利益なのですか?

同社の連結損益計算書に営業利益の行が無いためです。 会社は売上高から費用を引いた先を「税引前利益(earnings before provision for taxes on income)」として示しており、その手前に営業利益にあたる小計を置いていません。★当サイトが5期そろえて描ける利益が純利益しかないため、推移の図は純利益で描いています。★★当ページが掲載している医薬品の米国8社のうち、ファイザー・メルク・イーライリリー・ジョンソン・エンド・ジョンソンの4社が同じ形です。残る4社(アッヴィ・アムジェン・ギリアド・サイエンシズ・バーテックス・ファーマシューティカルズ)には営業利益の行があります。

純利益が期によって大きく振れるのはなぜですか?

タルク(ベビーパウダー)をめぐる訴訟の引当金が、3期にわたって利益を動かしているためです。 会社は10-Kの注記17で、部門に配分しない損益に2023年12月期は約70億ドルの引当、2024年12月期は約51億ドルの引当、2025年12月期は約70億ドルの戻し入れが含まれると記載しています。★★その結果、純利益は351億53百万→140億66百万→268億4百万ドルと振れました。同じ3期の売上高は851億59百万→888億21百万→941億93百万ドルと素直に伸びています。★戻し入れは2025年の第1四半期に立っています。同四半期の純利益109億99百万ドルは、前後の四半期(50億〜55億ドル)の約2倍でした。★2024年12月期にはケンビュー株の残りを債務と交換したことによる約4億ドルの損失も含まれます。★当サイトは訴訟の当否を論じません。会社が開示した金額と期を並べています。

「部門の利益」が税引前利益なのはなぜですか?

会社が10-Kでそう開示しているためです。「イノベーティブ・メディスンとメドテックの両部門について、最高経営意思決定者(最高経営責任者)は税引前の部門利益(segment income before tax)を使って、主に年次の計画策定の過程で経営資源(人員・資金・設備)を配分する」と記載されています。四半期ごとに計画と実績の差を見て評価するとも書いています。★2部門の合計263億79百万ドルに、部門に配分していない損益62億2百万ドルを足すと、連結の税引前利益325億81百万ドルになります。★★そのため部門の利益率(イノベーティブ・メディスン36.9%・メドテック12.2%)は、他社の営業利益率と直接は比べられません。当ページの医薬品8社は、部門の利益の指標が会社ごとに違います。

医療機器の会社としてはどれくらいの規模ですか?

メドテック部門だけで337億92百万ドルあります。ページ下部のレートで円に直すと約5兆4,082億円で、オリンパス(2026年3月期の売上収益9,832億円)の約5.5倍にあたります。★中身は心血管89億28百万ドル・外科・整形外科・ビジョン(コンタクトレンズ・眼科手術)の4分野です。心血管が前期比15.8%増と最も伸びました。★★部門の利益率は12.2%で、医薬品部門の36.9%の3分の1です。同じ会社の中で、医薬品と医療機器の採算の構造の違いが見えます。★★当サイトはこの会社を医薬品の業界ページに置いています。売上の64.1%が医薬品であるためですが、医療機器としても国内最大級の規模を持つことは押さえておく必要があります。

整形外科事業の分離とは何ですか?

会社が2025年10月に整形外科事業を分離する意向を公表したものです。10-Qには「複数の方法を検討しており、最初の公表から18〜24か月以内の完了を目指す」と記載されています。★整形外科はメドテック部門の4分野の1つで、股関節・膝関節・脊椎・外傷を扱います。★★完了すれば、メドテック部門の売上と部門利益の規模が変わります。当ページの部門の表は分離前のものです。★同社は2023年にもコンシューマーヘルス事業(ケンビュー)を分離しています。そのため5期の推移のうち古い2期(2021年度・2022年度)は、分離後の基準に組み替えられた数字です。★分離後の姿については書いていません。将来の見込みを扱わないためです。

日本での売上はどれくらいですか?

独立して開示されていません。「アジア太平洋・アフリカ」140億31百万ドル(売上高の14.9%)に含まれます。★★当ページの医薬品8社のうち、日本を国名で開示しているのはイーライリリー(21億32百万ドル)とアッヴィ(12億74百万ドル)の2社だけです。★10-Kの全文で日本に触れているのはリスク要因の1か所だけで、「米国外では欧州連合・英国・日本・中国を含む多くの主要市場で、政府が医療の財源に広く関与しており、価格統制を課したり、償還を制限したりしている」と記載されています。★長期性資産では米国が893億92百万ドル・73.8%を占め、売上の比率(57.1%)よりさらに米国に偏っています。

今期の見通しはどこまで公表されていますか?

GAAPの金額で公表されているのは売上高だけです。2026年7月15日の決算発表で、2026年12月期の売上高を約1,011億ドル(中間値で7.3%増)としています。★利益は「調整後1株当たり利益11.68ドル」という非GAAPの指標でしか公表されていません。当サイトはGAAPの数値を載せる方針のため、見通しの表は1行です。★会社は「2026年に年間売上1,000億ドル超という目標に、創業140年で初めて到達する道筋にある」と決算発表資料に記載しています。★見通しは10-Kにも四半期報告書にも記載がありません。SECに提出される決算発表資料(Form 8-K 添付資料99.1)にあります。

中期経営計画はありますか?

会社は売上高・利益率・ROEなどの中長期の数値目標を、SECの提出書類では公表していません。★複数年にわたる唯一の数値は、2026年12月期の見通しに添えられた「年間売上1,000億ドル超」という到達点への言及で、これは単年の見通しの中で述べられたものです。★武田薬品工業・第一三共・アステラス製薬が中期経営計画で示すような、数値目標の一覧にあたるものをジョンソン・エンド・ジョンソンはSECの提出書類に出していません。

数値はいつ時点のものですか?

決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、ジョンソン・エンド・ジョンソンは12月末(52/53週制のため2025年12月期は2025年12月28日まで)、武田薬品工業・第一三共・アステラス製薬は3月末です。直近の四半期の実績は、会社が2026年7月23日にSECへ提出した四半期報告書(Form 10-Q)によります。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。

注記(5件)
売上高と利益の推移
★★同社の連結損益計算書には営業利益の行がありません。当サイトが5期そろえて描ける利益が純利益しかないため、推移の図は純利益で描いています。当ページが掲載している医薬品の米国8社のうち、ファイザー・メルク・イーライリリー・ジョンソン・エンド・ジョンソンの4社が同じ形です。★★★純利益が期によって大きく振れます。2023年12月期351億53百万ドル → 2024年12月期140億66百万ドル → 2025年12月期268億4百万ドル。売上高は851億59百万→888億21百万→941億93百万ドルと素直に伸びており、振れているのは利益だけです。★★主因はタルク(ベビーパウダー)をめぐる訴訟の引当金です。会社は注記17で、部門に配分しない損益に2023年12月期は約70億ドルの引当、2024年12月期は約51億ドルの引当、2025年12月期は約70億ドルの戻し入れが含まれると記載しています。引当が2期続いたあと、3期目に戻ってきた形です。★2023年12月期にはコンシューマーヘルス事業(ケンビュー)の分離も反映されています。そのため2021・2022年度の売上高は分離後の基準に組み替えられており、787億40百万・799億90百万ドルです。★2024年12月期にはケンビュー株の残りを債務と交換したことによる約4億ドルの損失も含まれます。★ROEと自己資本比率は会社が公表していないため当サイトが計算しています(ROEの分母は期首と期末の自己資本の平均、自己資本比率は期末の自己資本÷期末の総資産)。
部門ごとの売上と利益
会社は10-Kに「イノベーティブ・メディスンとメドテックの両部門について、最高経営意思決定者(最高経営責任者)は税引前の部門利益を使って、主に年次の計画策定の過程で経営資源(人員・資金・設備)を配分する」と記載しています。四半期ごとに計画と実績の差を見て評価するとも書いています。★★2部門の合計263億79百万ドルに、部門に配分していない損益62億2百万ドルを足すと、連結の税引前利益325億81百万ドルになります。★★★この「配分していない損益」が2025年12月期はプラス(利益)です。会社は「タルク関連で以前に積んだ引当金のうち約70億ドルを戻し入れた」ためと記載しています。2024年12月期は約51億ドルの引当、2023年12月期は約70億ドルの引当で、いずれもマイナス(費用)でした。★2部門の売上の合計941億93百万ドルは連結の売上高と一致します。部門別の資産も開示されています(イノベーティブ・メディスン780億57百万ドル、メドテック864億82百万ドル、全社346億71百万ドル)。
「部門の利益」が何を指すかは会社によって違います。掲載している会社の基準の一覧を用語集に置いています。
地域別の売上
会社が10-Kの注記17で開示した区分をそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。★米国が売上高の57.1%を占めます。★★日本は独立して開示されていません。「アジア太平洋・アフリカ」140億31百万ドル(14.9%)に含まれます。当ページの医薬品8社のうち、日本を国名で開示しているのはイーライリリー(21億32百万ドル)とアッヴィ(12億74百万ドル)の2社だけです。★10-Kの全文で日本に触れているのはリスク要因の1か所だけで、「米国外では欧州連合・英国・日本・中国を含む多くの主要市場で、政府が医療の財源に広く関与しており、価格統制を課したり、償還を制限したりしている」と記載されています。★★長期性資産では米国が893億92百万ドル(73.8%)で、売上の比率(57.1%)よりさらに米国に偏っています。★4区分の合計は連結の売上高と一致します。
最新の決算
当サイトが原文を翻訳・加工したものではありません。増減は前年の同じ期間との比較です。★3か月(2026年3月30日〜6月28日)の数値です。同社の四半期は52/53週制のため、暦の四半期とは数日ずれます。★★売上高は6.6%増えましたが、純利益はほぼ横ばいです(55億37百万→55億34百万ドル)。税引前利益は3.9%増えています。★部門別では、イノベーティブ・メディスンの売上が163億84百万ドル(前年同期152億2百万ドル)、メドテックが89億26百万ドル(同85億41百万ドル)。税引前の部門利益はイノベーティブ・メディスン62億49百万ドル(同55億52百万ドル)、メドテック11億77百万ドル(同12億4百万ドル)でした。★利益率は出していません。同社の損益計算書に営業利益の行が無く、他社と同じ物差しの利益率を作れないためです。
会社が公表している今期の見通し
見通しは10-Kにも四半期報告書にも記載がなく、SECに提出された決算発表資料(Form 8-K 添付資料99.1)にあります。会社は、実際の業績がこの数値と大きく異なることがありうる旨を資料に記載しています。

出典

部門別・地域別の売上高、四半期決算、今期の見通しは、同社が公表した次の資料から当サイトが書き写しました(2025年12月期 Form 10-K(2026-02-11 公表)2026年12月期 第2四半期 Form 10-Q(2026-07-23 公表)2026年12月期 第2四半期の決算発表(Form 8-K 添付資料99.1)(2026-07-15 公表))。5期の推移(売上高・利益・総資産・キャッシュ・フロー等)と発行済株式数は、米国SECに提出されたXBRLデータによります。金額は1米ドル=160.04円、株価と時価総額は1米ドル=160.04円で円に直しています(レートの出典はYahoo Finance)。

投資判断は自己責任で行ってください。

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数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。

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