鉄鋼・非鉄の米国株 — 日本企業から見る対応表
この業界でも、当サイトの前提が崩れます。小売に続いて2業界目です。
米国の大手鉄鋼メーカーであるUSスチールは、日本製鉄が買収しました。日本製鉄の有価証券報告書に、そう書かれています。
当サイトがティッカー「X」で決算データを取りに行ったところ、SECのティッカー対応表に見つかりませんでした。開示資料の記載と、取得できなかったという事実が一致しています。
この業界の日本の顔ぶれ
日本製鉄
製鉄、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4セグメント。製鉄が売上の91.2%。連結子会社493社。有価証券報告書にUSスチールの買収を記載する。
売上の内訳(2026年3月期)
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| 製鉄 | 91.2% |
| エンジニアリング | 3.6% |
| システムソリューション | 2.9% |
| ケミカル&マテリアル | 2.4% |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は内訳の合計に占める割合で、会社が開示する区分をそのまま用いています。「その他」に当たる区分は含まれないため、合計は売上高と一致しないことがあります。
アメリカの対応企業
| 企業 | ティッカー | 事業 | 売上高 | 掲載企業内シェア | 時価総額 | 対応の濃さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニューコアNUCOR CORP | NUE | 製鋼所61.6%、鉄鋼製品31.8%、原材料6.7%の3セグメント。1958年にデラウェア州で設立。設備と顧客の多くが北米にあると10-Kに記載する。 | 5.2兆円FY2025 · 米国基準 | 71.7% | 9.7兆円 | 日本製鉄 ◎ JFEホールディングス ○ |
| アルコアAlcoa Corp | AA | 鉄ではなくアルミニウムの会社。ボーキサイトの採掘、アルミナの精製、アルミの製錬・鋳造という上流に特化する。2016年11月1日に独立して上場した。米国47.7%、豪州23.5%、オランダ18.3%。 | 2.0兆円FY2025 · 米国基準 | 28.3% | 2.1兆円 | 日本製鉄 △ JFEホールディングス △ |
対応の濃さ:◎ 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/○ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/△ 部分対応(一部の事業のみ重なる)
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上の表のシェアは、掲載した米国企業2社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
日米の構造の違い
日本の会社が、米国の鉄鋼メーカーを買った
日本製鉄の有価証券報告書には、こう書かれています。
「日本製鉄はUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」)の買収を通じて、世界最大の高級鋼市場である米国において鉄源一貫製造体制を構築しています」
さらに「USスチールは、2028年末までに110億ドルの設備投資を実行し、日本製鉄は、最先端の操業技術・設備技術・商品技術を移転していく」とも記載されています。
当サイトはUSスチールのティッカー「X」で決算データを取りに行きましたが、SECのティッカー対応表に見つかりませんでした。そのため当サイトの表にはUSスチールを載せていません。
小売のページでは、セブン&アイ・ホールディングスが米国のセブン-イレブンを保有していることを書きました。日本企業を入口に米国企業を探すと、探す前にもう持っていることがあります。この業界で2例目です。
アルコアは鉄の会社ではない
業界名を「鉄鋼・非鉄」としているのは、アルコアが鉄ではなくアルミニウムの会社だからです。
10-Kには「上流のアルミ産業のすべての側面で活動している」とあり、具体的にボーキサイトの採掘、アルミナの精製、アルミの製錬・鋳造が挙げられています。地中から掘り出して金属にするまでが事業で、その先の加工品は主たる事業ではありません。
日本製鉄・JFEホールディングスとは扱う金属が違うため、対応はいずれも△としています。
JFEホールディングスは商社を持っている
JFEホールディングスは「JFEスチール」「JFEエンジニアリング」「JFE商事」の3つの事業会社で構成される持株会社です。
売上構成は鉄鋼60.7%、商社26.4%、エンジニアリング12.9%。売上の約4割が鉄を作る以外の事業です。
日本製鉄も製鉄以外にエンジニアリング・ケミカル&マテリアル・システムソリューションを持ちますが、合計しても8.8%です。同じ「鉄鋼メーカー」でも、事業の広がり方が違います。
日本製鉄とニューコアの構成は近い
- 日本製鉄 — 製鉄91.2%
- ニューコア — 製鋼所61.6%+鉄鋼製品31.8%=93.4%
どちらも売上の9割超が鉄鋼です。このページで◎はここだけです。
ただし作り方と売り先は違います。ニューコアの10-Kには「設備と顧客の多くが北米にある」と書かれており、北米を中心にした会社です。
よくある質問
日本製鉄のアメリカ版はどこですか?
事業の構成がもっとも近いのはニューコアです。どちらも売上の9割超が鉄鋼です。
ただし米国での事業という意味では、日本製鉄自身がUSスチールを買収して米国に入っています。有価証券報告書にその記載があります。
USスチールがこのページに載っていないのはなぜですか?
当サイトがティッカー「X」で決算データを取りに行ったところ、SECのティッカー対応表に見つかりませんでした。日本製鉄の有価証券報告書には同社を買収した旨が記載されており、両者は整合します。
当サイトは取得できなかったデータを推測で補いません。そのため表には載せていません。
日本製鉄の売上高にUSスチールの分は入っていますか?
当サイトでは確認できていません。 連結の時期と範囲を追っていないため、売上高10.06兆円のうちどれだけがUSスチールによるものかは示せません。開示資料で確認できていないことは書かない方針です。
アルコアは鉄鋼メーカーではないのですか?
アルミニウムの会社です。10-Kに、ボーキサイトの採掘、アルミナの精製、アルミの製錬・鋳造という上流の工程が事業として挙げられています。鉄は扱っていません。
このページに載せているのは、業界を「鉄鋼・非鉄」としているためです。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。米国2社は12月期、日本2社は3月期です。株価と時価総額はページ上部に記載した基準日の値です。
数値の基準日
- 売上高(米国企業)
- 各社の直近の通年決算(FY2025)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
- 売上高(日本企業)
- 各社の直近の通年決算(2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
- 株価・時価総額
- 2026-08-15 時点
- 為替
- 1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。