信越化学工業
基本情報
- 正式社名
- 信越化学工業株式会社
- 証券コード
- 4063(東京証券取引所)
- 会計基準
- 日本基準
- 発行済株式数
- 1,984,995,865 株
- ROE(自己資本利益率)
- 10.4%2026年3月期
- 1株あたり配当金
- 106 円(連結配当性向 41.9%)2026年3月期
- 従業員数
- 27,342 人2026年3月期末・有価証券報告書・27,342人(2026年3月31日時点・連結)
売上高と利益の推移
財務ハイライト(過去5期)
親会社株主に帰属する当期純利益・ROE
総資産・純資産・自己資本比率
キャッシュ・フロー
1株当たり当期純利益(EPS)
| 決算期 | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 営業利益率 | 経常利益 | 純利益 | 純利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期2026-03-31期末 | 25,740億円 | +0.5% | 6,352億円 | 24.7% | 7,083億円 | 4,745億円 | 18.4% |
| 2025年3月期2025-03-31期末 | 25,612億円 | +6.1% | 7,421億円 | 29.0% | 8,205億円 | 5,340億円 | 20.9% |
| 2024年3月期2024-03-31期末 | 24,149億円 | -14.0% | 7,010億円 | 29.0% | 7,872億円 | 5,201億円 | 21.5% |
| 2023年3月期2023-03-31期末 | 28,088億円 | +35.4% | 9,982億円 | 35.5% | 10,202億円 | 7,082億円 | 25.2% |
| 2022年3月期2022-03-31期末 | 20,744億円 | — | 6,763億円 | 32.6% | 6,944億円 | 5,001億円 | 24.1% |
直近5期の通年決算です。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書で、利益は有価証券報告書のセグメント注記と、同社IRサイトの「財務ハイライト」によります。日本企業は円で決算を出すため、円換算はしていません。図の売上高と利益は同じ物差しで並べているので、棒の高さの差がそのまま利益の大きさにあたります。会社は純利益を「親会社株主に帰属する当期純利益」と呼びます。当サイトは日米の会社を同じ言葉で並べるため、表の見出しは全社共通の言い方にそろえています。★★日本基準のため、有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」には営業利益の欄が無く、経常利益までしか載っていません。図に描いている営業利益は、2025年3月期と2026年3月期が同じ有価証券報告書のセグメント注記の連結営業利益(742,105百万円・635,204百万円)、それ以前の3期が同社IRサイトの財務ハイライト(億円単位)によるものです。★2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の株式分割を行っており、1株当たりの数値は5期とも、2022年3月期の期首に分割が行われたと仮定して算定されています(有価証券報告書の注記)。★表の純資産は非支配持分を含む金額です。自己資本比率の分子はそれを含まない自己資本なので、表の純資産を総資産で割った値とは一致しません。
事業の概要
電子材料
シリコンウエハー・フォトレジスト・マスクブランクスなど半導体向けの材料。4部門で最大の売上と利益で、外部顧客への売上は連結の39.5%にあたる
利益構成比54.0%3,445億円・利益率33.7%
- 2026年3月期は外部顧客への売上高が1兆157億円で、部門として初めて1兆円を超えた
- ★4部門で唯一の増益。部門の利益は3,247億円から3,445億円へ増えた
- 半導体シリコン
- フォトレジスト
- マスクブランクス
- 希土類磁石
生活環境基盤材料
塩化ビニル樹脂とか性ソーダ、シリコーン。住宅・インフラ向けの素材で、外部顧客への売上は連結の38.1%
利益構成比25.9%1,649億円・利益率16.7%
- ★2026年3月期の減益の主因。部門の利益が2,914億円から1,648億円へ43.4%減った
- 米国子会社シンテックが塩化ビニル樹脂を手がける
- 塩化ビニル樹脂
- か性ソーダ
- シリコーン
機能材料
セルロース誘導体・合成性フェロモン・酸素・希少ガスなど。外部顧客への売上は連結の17.1%
利益構成比15.8%1,010億円・利益率22.3%
- 部門の利益は1,000億円から1,009億円へほぼ横ばい
- セルロース誘導体
- 合成性フェロモン
- 希少ガス
加工・商事・技術サービス
グループ内外への加工・商事・技術サービス。★部門の売上3,103億円のうち外部顧客向けは1,360億円で、残りはグループ内向け
利益構成比4.3%273億円・利益率8.8%
- 4部門で最も小さく、外部顧客への売上は連結の5.3%
- 部門の利益率8.8%は4部門で最も低い
- 加工
- 商事
- 技術サービス
注目ポイント
- 増収減益だった売上高は2兆5,612億円から2兆5,739億円へ0.5%増えた一方、営業利益は7,421億円から6,352億円へ14.4%減りました。
- 減益の主因は生活環境基盤材料同部門の利益が2,914億円から1,648億円へ43.4%減りました。一方電子材料は3,247億円から3,445億円へ増益で、部門の外部売上高も初めて1兆円を超えています。
- 自己資本比率が4ポイント近く下がった82.6%から78.7%になりました。総資産がほぼ横ばい(5兆6,366億円→5兆6,619億円)なのに対し、純資産が4兆8,375億円から4兆6,433億円へ減っています。理由は有価証券報告書の該当箇所を確認していないため、当サイトでは触れていません。
部門ごとの売上と利益
2026年3月期有価証券報告書のセグメント注記より
| 部門 | 売上高 | うち外部顧客向け | 部門の利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 電子材料 | 10,218億円 | 10,158億円 | 3,445億円 | 33.7% |
| 生活環境基盤材料 | 9,856億円 | 9,814億円 | 1,649億円 | 16.7% |
| 機能材料 | 4,526億円 | 4,408億円 | 1,010億円 | 22.3% |
| 加工・商事・技術サービス | 3,103億円 | 1,360億円 | 273億円 | 8.8% |
★部門の利益は営業利益ベースです。会社は有価証券報告書に「セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています」と記載しています。4部門の利益の合計6,377億22百万円から、セグメント間取引の消去による調整額25億17百万円を差し引いた6,352億4百万円が連結の営業利益です。★部門の売上高には内部売上が含まれます。上に併記した「外部顧客への売上高」の4部門の合計は連結の売上高と一致します。
「部門の利益」が何を指すかは会社によって違います。掲載している会社の基準の一覧を用語集に置いています。
地域別の売上
地域別の売上高(顧客の所在地基準)2026年3月期
- その他
- 米国
- 日本
2026年3月期の地域別の売上高です。会社が有価証券報告書で開示した区分をそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。★会社が分けているのは日本・米国・その他の3つだけです。有価証券報告書の「地域ごとの情報」に、これより細かい区分はありません。★同社IRサイトの財務ハイライトには2026年3月期の地域別売上高比率として日本21%・米国28%・アジア/オセアニア35%・欧州9%・その他7%が載っていますが、区分が有価証券報告書と違うため当サイトの表には使っていません。★売上高の10%以上を占める相手先はありません(有価証券報告書の「主要な顧客ごとの情報」)。
最新の決算
2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)2026-07-24 公表
| 項目 | 2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月) | 2025年4〜6月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,624億円 | 6,285億円 | +5.4% |
| 営業利益 | 1,738億円 | 1,668億円 | +4.2% |
| 経常利益 | 1,921億円 | 1,816億円 | +5.8% |
| 純利益 | 1,308億円 | 1,264億円 | +3.5% |
| 売上高営業利益率 | 26.2% | 26.5% | — |
会社が公表した決算資料の数値です。当サイトが原文を翻訳・加工したものではありません。増減は前年の同じ期間との比較です。★3か月(2026年4月1日〜6月30日)の数値です。純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。1株当たり四半期純利益は70円39銭(前年同期66円48銭)。★部門別の四半期(億円・前年同期→当第1四半期)は、電子材料2,402→2,792(営業利益831→1,019)、生活環境基盤材料2,444→2,277(528→348)、機能材料1,100→1,182(240→288)、加工・商事・技術サービス339→371(71→76)です。★★通期で減益だった生活環境基盤材料は、この四半期も減収減益が続いています。
会社が公表している今期の見通し
2027年3月期(通期)2026-07-24 公表
| 項目 | 会社の見通し | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 27,000億円 | +4.9% |
| 営業利益 | 7,000億円 | +10.2% |
| 経常利益 | 7,700億円 | +8.7% |
| 純利益 | 5,250億円 | +10.7% |
| 売上高営業利益率 | 25.9% | — |
| 1株あたり配当金 | 116円 | — |
| 連結配当性向 | 40.6% | — |
- ★★通期の数値を公表しています。2026年7月24日に、それまでの予想を修正して示したものです
- 1株当たり当期純利益は286円00銭(前期比13.2%増)
- 配当は年116円(中間58円・期末58円)。2026年3月期の106円から10円増える
- DOE(純資産配当率)は4.4%から4.7%へ、配当性向は41.9%から40.6%になる見込み
- 会社は「事業を取り巻く様々な変動要因とその振幅の可能性を踏まえると、通期の業績予想は依然として容易ではありません」と記載している
これは会社が公表した数値であり、当サイトの予測ではありません。会社が公表した数値です。売上高営業利益率は当サイトが上の2つの数値から計算したものです。★同社は中期経営計画を出しておらず、金額の目標はこの通期の予想だけです。会社は、実際の業績がこの数値と大きく異なることがありうる旨を資料に記載しています。
経営方針
目標とする経営指標
会社が掲げる「会社の経営の基本方針」は「他の追随できない素材技術によって社会と産業のために価値を生み出し、株主の皆さまのご期待にお応えしていくこと」です。
経営方針に挙げられていること
| 方針 | テーマ | 主な重点活動 |
|---|---|---|
| 1先端電子材料総合メーカーとしての機能の拡充①飛躍的に成長する半導体産業に必要不可欠な素材と技術を提供し、特にAIの進展を支える機能を拡充する | AIインフラ |
|
| 2生活環境基盤材料での規模の経済と多層的な事業展開②規模の経済と多層的な事業展開を追求する | 珪素化学 |
|
| 3エッセンシャルサプライヤーとしての役割③世界最高水準の技術や品質を追求し、生産性の向上に絶え間なく努めながら、世界中の顧客に安定的に製品供給を行う | 供給の持続 |
|
★★同社は中期経営計画という文書を出していません。上に挙げたものは、有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に書かれている内容です。
経営目標(財務)
| 指標 | 目標とする経営指標 | 会社が掲げた目標 |
|---|---|---|
| 目標とする経営指標 | — | 年次ごとの増収、増益 |
これは会社が公表した計画であり、当サイトの予測でも評価でもありません。目標の言い回しは資料の表現をそのまま用いています。計画は見直されることがあります。★★この業界の日本3社で、金額の数値目標を持たないのは同社だけかどうかは、他の2社を作るときに確かめます。会社は「当社の主要製品の中には、市況をはじめとした事業環境の変化の影響を受ける製品があります。それだけに、外部環境の変化に機敏に対応していくことに加え、各事業の耐性をさらに高めます」と記載しています。
アメリカの対応企業
ダウDOW
生活環境基盤材料(塩化ビニル樹脂・か性ソーダ)と機能材料(シリコーン)が、ダウの汎用樹脂・中間体と重なる
塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂で重なります。ダウはパッケージング&スペシャリティプラスチックス・インダストリアルインターミディエイツ&インフラストラクチャー・パフォーマンスマテリアルズ&コーティングスの3部門で、信越化学工業の生活環境基盤材料(外部売上の38.1%)と領域が近い部門です。ただしダウには半導体材料にあたる事業がなく、信越化学工業の最大部門である電子材料と重なる部分はありません。
売上高を信越化学工業と並べる- ダウ6.3兆円FY2025
- 信越化学工業2.6兆円直近の通期
- ダウ3.7兆円2026-08-20 時点
- 信越化学工業12.1兆円2026-08-20 時点
デュポンDD
電子材料と、デュポンの産業向け分野が重なるが、デュポンは2区分しか開示しておらず確かめられない
デュポンはダイバーシファイドインダストリアルズとヘルスケア&ウォーターテクノロジーズの2部門で、電子材料の分野で一部重なります。ただし2019年に素材科学と農業の事業を分離しており、売上高は68億ドルと信越化学工業(2兆5,739億円)より小さい規模です。分離の経緯は業界ページに書いています。
売上高を信越化学工業と並べる- デュポン1.1兆円FY2025
- 信越化学工業2.6兆円直近の通期
- デュポン3.0兆円2026-08-20 時点
- 信越化学工業12.1兆円2026-08-20 時点
リンデLIN
信越化学工業は産業ガスの事業を持たない
産業ガスの会社で、信越化学工業の機能材料に含まれる希少ガスと一部重なります。ただしリンデは産業ガスの専業に近く、信越化学工業は機能材料が外部売上の17.1%にとどまるため、会社全体としての重なりは小さい組み合わせです。
売上高を信越化学工業と並べる- リンデ5.4兆円FY2025
- 信越化学工業2.6兆円直近の通期
- リンデ35.3兆円2026-08-20 時点
- 信越化学工業12.1兆円2026-08-20 時点
信越化学工業は日本基準、ダウ・デュポン・リンデは米国会計基準です。売上高の範囲は完全には一致しません。米ドルはページ下部に記載の基準日のレートで円換算しています。
★決算期は4社ともそろっています(信越化学工業は3月末、米国3社は12月末)。ただし期の呼び方が違います。信越化学工業の「2026年3月期」は2025年4月から2026年3月まで、米国3社の「2025年12月期」は2025年1月から12月までです。
★部門の利益の基準は4社で違います。信越化学工業は営業利益ベースです。米国3社の基準は用語集の一覧に載せています。
★リンデは本社が米国にある会社ではありません。アイルランドの法律に基づいて設立された会社で、主要な事業所は英国と米国です。当サイトはSECに提出書類を出している会社を対象にしているため掲載しています。
よくある質問
信越化学工業と正面から重なるアメリカの会社はどこですか?
ありません。最大部門である電子材料(外部売上の39.5%)は半導体シリコンやフォトレジストを扱いますが、ダウ・デュポン・リンデのいずれもこの分野を主力にしていません。生活環境基盤材料(38.1%)の塩化ビニル樹脂はダウと領域が近く、機能材料(17.1%)の希少ガスはリンデと一部重なります。1社では対応しきれない会社です。
2026年3月期はなぜ増収減益だったのですか?
売上高は2兆5,612億円から2兆5,739億円へ0.5%増えた一方、営業利益は7,421億円から6,352億円へ14.4%減りました。部門別に見ると、生活環境基盤材料の利益が2,914億円から1,648億円へ43.4%減ったことが減益の大きさを決めています。一方電子材料は3,247億円から3,445億円へ増益で、部門の外部売上高も1兆157億円と初めて1兆円を超えました。
中期経営計画はありますか?
★中期経営計画という文書を出していません。有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、目標とする経営指標として「年次ごとの増収、増益」と書かれているだけで、売上高や利益の金額目標は掲げていません。当サイトが載せている「今期の見通し」は、決算短信で公表されている2027年3月期の業績予想です。
1株当たりの数値は株式分割の前後どちらですか?
5期とも分割後です。同社は2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の株式分割を行っており、有価証券報告書の注記に「2022年3月期の期首に株式分割が行われたと仮定して算出しています」と書かれています。表と図の1株当たり当期純利益は、その注記のとおりの数値です。
数値はいつ時点のものですか?
5期の推移と部門別・地域別の内訳は2026年3月期(2026年6月19日提出の有価証券報告書)、直近の四半期と今期の見通し・配当予想は2027年3月期第1四半期(2026年7月24日公表の決算短信)によります。株価と時価総額はページ下部に記載した基準日の値です。
数値の基準日と出典
- 決算(通年)
- 2026年3月期(2026-03-31 期末)
- 決算(四半期)
- 2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)/2026-07-24 公表
- IR資料の確認日
- 2026-08-20
部門別・地域別の売上高、四半期決算、今期の見通し、経営方針は、同社のIRサイトで公開されている次の資料から当サイトが書き写しました(有価証券報告書(2026年3月期・第149期)(2026-06-19 公表)/2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-07-24 公表)/財務ハイライト(同社IRサイト)(2026-08-20 に当サイトが確認))。5期の推移(売上高・総資産・キャッシュ・フロー等)と発行済株式数・従業員数は、金融庁EDINETに提出された有価証券報告書によります。5期の利益は有価証券報告書のセグメント注記と、同社IRサイトの「財務ハイライト」によります。
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。