化学Chemicals
日本の顔ぶれ
- 信越化学工業電子材料(半導体シリコン、フォトレジスト、マスクブランクス)、生活環境基盤材料(塩化ビニル樹脂、か性ソーダ)、機能材料(シリコーン)、加工・商事・技術サービスの4セグメント。アメリカではダウデュポンリンデ
- 三菱ケミカルグループスペシャリティマテリアルズ、MMA&デリバティブズ、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、産業ガスの4セグメント。産業ガスは大陽日酸(現・日本酸素)が担う。当期から区分を変更した。アメリカではリンデダウデュポン
- 住友化学エッセンシャル&グリーンマテリアルズ、ICT&モビリティソリューション、アグロ&ライフソリューション、住友ファーマ、アドバンストメディカルソリューション。医薬品を報告セグメントとして持つ。アメリカではダウデュポンリンデ
アメリカの対応企業
ダウDOW
DOW INC.
パッケージング&スペシャリティプラスチックス50.9%、インダストリアルインターミディエイツ&インフラストラクチャー28.4%、パフォーマンスマテリアルズ&コーティングス20.7%の3セグメント。前身は1897年にミシガンで設立された会社。
- 売上高6.3兆円
- 純利益▲4,164億円
- 時価総額3.2兆円
- 株価28.02USD
- 掲載企業内シェア49.5%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- 三菱ケミカルグループ
- 信越化学工業
- 住友化学
リンデLIN
LINDE PLC
産業ガスの会社で、10-Kに世界最大と記載する。酸素・窒素・アルゴンなどの空気由来のガスと、水素・ヘリウム・電子材料用ガスなどを扱う。アイルランドの法人で、主要事業所は英国と米国。
- 売上高5.4兆円
- 純利益1.1兆円
- 時価総額34.0兆円
- 株価469.89USD
- 掲載企業内シェア42.1%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- 三菱ケミカルグループ
- 信越化学工業
- 住友化学
デュポンDD
DuPont de Nemours, Inc.
ダイバーシファイドインダストリアルズ52.8%、ヘルスケア&ウォーターテクノロジーズ47.2%の2セグメント。ヘルスケア、水、建設、産業向けの分野を挙げる。売上高6.8十億ドル。
- 売上高1.1兆円
- 純利益▲1,237億円
- 時価総額2.8兆円
- 株価131.71USD
- 掲載企業内シェア8.5%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- 三菱ケミカルグループ
- 信越化学工業
- 住友化学
カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。
日米の構造の違い
ダウとデュポンは、もともと1つの会社だった
デュポンの10-Kには、次の経緯が書かれています。
- ダウ・ケミカル(TDCC)とデュポン(EIDP)が DowDuPont Inc. の子会社になった
- 2019年4月1日 — 素材科学の事業を Dow Inc. のスピンオフとして分離した
- 2019年6月1日 — 農業の事業を Corteva, Inc. のスピンオフとして分離した
いま別々に上場している2社は、一度合併してから3つに分かれた結果です。売上高がダウ40.0十億ドル、デュポン6.8十億ドルと開きがあるのも、この経緯と関係します。
三菱ケミカルグループの最大事業は産業ガス
三菱ケミカルグループの報告セグメントで最大なのは産業ガス(36.5%)です。有価証券報告書には、このセグメントの主要な会社として大陽日酸などが挙げられています。
リンデは10-Kで自社を「世界最大の産業ガスの会社」と説明し、酸素・窒素・アルゴンといった空気由来のガスと、水素・ヘリウム・電子材料用ガスなどを主要製品に挙げています。
この2社は同じ事業で正面から重なります。 そう書ける組み合わせは、このページでここだけです。
リンデは国ごとに売上を出している
リンデはXBRLに事業別の内訳を持たず、地域別だけを開示しています。しかもその区分が国単位で細かいのが特徴です。
米国35.8%、その他海外33.1%、中国7.7%、ドイツ7.2%、英国4.4%、メキシコ4.1%、ブラジル3.9%、オーストラリア3.8%。
産業ガスは輸送に向かず、使う場所の近くで作る事業です。開示の形にもそれが表れています。
日本側だけが持つもの
- 住友化学の医薬品 — 報告セグメントに「住友ファーマ」があり、売上の19.4%を占めます。米国3社にこれに当たる事業はありません
- 住友化学の農薬 — アグロ&ライフソリューション(22.3%)で、農薬・肥料・家庭用殺虫剤・熱帯感染症対策資材を扱います。デュポンが2019年に分離したコルテバが担う分野にあたりますが、コルテバは当サイトに載せていません
- 信越化学工業の半導体シリコン — 電子材料(39.5%)に含まれます
リンデは「米国株」なのか
リンデの10-Kには「アイルランドの法律に基づいて設立された公開有限会社で、主要な事業所は英国と米国にある」と書かれています。
当サイトはSECに提出書類を出している会社を対象にしており、リンデはその条件を満たします。ただし本社が米国にある会社ではないため、その旨をここに明記します。
よくある質問
三菱ケミカルグループのアメリカ版はどこですか?
最大セグメントである産業ガスに限れば、リンデです。ただし三菱ケミカルグループは残りの62%でスペシャリティマテリアルズ、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズを手がけており、これらはダウやデュポンの領域と重なります。1社では対応しきれない会社です。
信越化学工業と正面から重なる会社がないのはなぜですか?
信越化学工業の最大事業は電子材料(39.5%)で、半導体シリコンやフォトレジストを扱います。米国3社のうち、これと正面から重なる区分を開示している会社がありません。デュポンは2区分しか開示しておらず、重なりを開示資料から確かめられませんでした。
デュポンの売上高が小さいのはなぜですか?
10-Kに、2019年にダウ(素材科学)とコルテバ(農業)をスピンオフで分離した経緯が記載されています。当サイトが載せている6.8十億ドルは、分離後の事業によるものです。各事業がどちらへ移ったかの内訳までは追っていないため、それ以上の説明はしません。
住友化学は製薬会社でもあるのですか?
報告セグメントの1つに「住友ファーマ」があり、売上の19.4%を占めます。別にアドバンストメディカルソリューション(2.5%)もあります。当サイトの医薬品ページには武田薬品工業・第一三共・アステラス製薬を載せており、住友化学はそちらには入れていません。企業の主所属は1つに決める方針のためです。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。米国3社は12月期、日本3社は3月期です。株価と時価総額はページ下部の更新日時点の値です。
注記(2件)
- アメリカの対応企業
- 日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。
- 規模の比較
- 米ドルはページ下部のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業3社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
出典
売上高・純利益は各社の直近の通年決算(米国企業 FY2025/日本企業 2026年3月期)によります。出典は米国SEC(証券取引委員会)の年次報告書(10-K)、金融庁EDINETの有価証券報告書、株価はYahoo Finance。金額の円換算は1米ドル = 158.73円、株価と時価総額は1米ドル = 157.06円。
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。
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