飲料・食品の米国株 — 日本企業から見る対応表
コカ・コーラとペプシコは、開示資料の上では事業の形がかなり違う会社です。
コカ・コーラは報告セグメントを地域で区切り、ペプシコは飲料と食品を分けて開示しています。ペプシコの北米食品(29.3%)は、ポテトチップスやシリアルの事業です。売上のおよそ半分が食品の会社です。
日本側も3社3様で、飲料だけの会社、酒類を持つ会社、電子材料まで持つ会社が並びます。
この業界の日本の顔ぶれ
サントリー食品インターナショナル
清涼飲料の製造・販売。単一の事業のため、報告セグメントを地域(エリア)で区切る。サントリーホールディングスの飲料・食品セグメントの中核をなす上場子会社。
売上の内訳(2025年12月期)
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| 日本 | 42.9% |
| アジアパシフィック | 23.0% |
| 欧州 | 22.7% |
| 米州 | 11.4% |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は内訳の合計に占める割合で、会社が開示する区分をそのまま用いています。「その他」に当たる区分は含まれないため、合計は売上高と一致しないことがあります。
アサヒグループホールディングス
酒類・飲料・食品・薬品。アサヒビール、ニッカウヰスキー、アサヒ飲料、カルピス、アサヒグループ食品などを傘下に持つ。当年度より報告セグメントの区分を変更した。
売上の内訳(2025年12月期)
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| 日本・東アジア | 46.1% |
| アジアパシフィック | 27.3% |
| 欧州 | 26.7% |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は内訳の合計に占める割合で、会社が開示する区分をそのまま用いています。「その他」に当たる区分は含まれないため、合計は売上高と一致しないことがあります。
アメリカの対応企業
| 企業 | ティッカー | 事業 | 売上高 | 掲載企業内シェア | 時価総額 | 対応の濃さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ペプシコPepsiCo, Inc. | PEP | 飲料と食品の両方を持つ。北米飲料30.0%、北米食品29.3%で、6社のなかで唯一、飲料と食品を分けて開示している。1919年にデラウェア州で設立。 | 15.0兆円FY2025 · 米国基準 | 52.1% | 30.6兆円 | サントリー食品インターナショナル ○ アサヒグループホールディングス ○ 味の素 ○ |
| コカ・コーラCoca-Cola Co | KO | 濃縮原液とシロップを独立したボトラーに売る事業モデル。報告セグメントは地域4区分にボトリング投資を加えた5つ。ボトリング投資が売上の11.8%。 | 7.6兆円FY2025 · 米国基準 | 26.6% | 60.1兆円 | サントリー食品インターナショナル ◎ アサヒグループホールディングス ○ 味の素 △ |
| モンデリーズMondelez International, Inc. | MDLZ | チョコレート、ビスケット、焼き菓子が中核。隣接分野としてガム・キャンディ、チーズ・食料品、粉末飲料を持つ。150か国超で販売し、米国の比率は24.2%。 | 6.1兆円FY2025 · 米国基準 | 21.4% | 13.0兆円 | 味の素 ○ サントリー食品インターナショナル △ アサヒグループホールディングス △ |
対応の濃さ:◎ 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/○ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/△ 部分対応(一部の事業のみ重なる)
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上の表のシェアは、掲載した米国企業3社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
日米の構造の違い
コカ・コーラは「原液を売る会社」
コカ・コーラの10-Kには、売上の多くが濃縮原液とシロップを独立したボトラーに売ることから生まれる、と書かれています。瓶や缶に詰めて店に届けるのは、多くの地域で別会社です。
同社は「2025年12月期に1社のボトラーが売上の10%を占めた」とも記載しています。
報告セグメントに「ボトリング投資」があるのは、自社で持っているボトリング事業を分けて示すためです。売上の11.8%にあたります。
ペプシコは「半分が食品の会社」
ペプシコは自らを「beverage and convenient food company(飲料と手軽な食品の会社)」と説明しています。
XBRLから取れる構成比では、北米飲料30.0%に対して北米食品29.3%。中南米食品11.2%とアジア太平洋食品4.9%を加えると、食品の比率は飲料と並びます。
6社のなかで、飲料と食品を分けて開示しているのはペプシコだけです。 コカ・コーラとモンデリーズは地域で区切っており、事業別の内訳を出していません。
区分の軸が「地域」の会社が多い
この業界では、報告セグメントを地域で区切る会社が目立ちます。
- コカ・コーラ — 地域4区分+ボトリング投資
- モンデリーズ — 欧州・北米・アジア中東アフリカ・中南米
- サントリー食品インターナショナル — 「単一の事業を行っているため、報告セグメントはエリア区分により記載する」
一方、ペプシコは事業と地域を組み合わせ、味の素は事業で区切っています。同じ業界でも区分の考え方が揃っていないため、内訳どうしをそのまま比べることはできません。
日本側だけが持つもの
開示資料を読むと、日本側の2社には米国3社に無い柱があります。
- アサヒグループホールディングスの酒類 — アサヒビール(ビール類・低アルコール飲料)、ニッカウヰスキー(焼酎・洋酒)、エノテカ(ワイン)。米国3社は酒類を主たる事業としていません
- 味の素の電子材料 — 製品区分に「ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)」があります。食品の会社が半導体向けの材料を手がけており、米国3社にこれに当たる事業はありません。受託製造(CDMO)も持ちます
モンデリーズに対応する日本企業を置いていない
モンデリーズは自社を「世界最大級のスナック菓子の会社」と説明し、チョコレート・ビスケット・焼き菓子を中核に挙げています。
当サイトの日本側3社には、菓子を本業とする会社がありません。そのためモンデリーズとの対応はすべて○か△になります。日本側の顔ぶれの選び方によるもので、対応する会社が存在しないという意味ではありません。
よくある質問
コカ・コーラとペプシコはライバル会社ではないのですか?
飲料では競合します。ただし開示資料の上では事業の形が違います。コカ・コーラは濃縮原液をボトラーに売る事業が中心で、報告セグメントは地域区分です。ペプシコは飲料と食品を分けて開示しており、食品の比率が飲料と並びます。
当サイトは順位や評価を付けません。事業の中身が読者に伝わることを目的にしています。
サントリー食品インターナショナルとコカ・コーラが◎なのはなぜですか?
双方が清涼飲料を本業とし、報告セグメントを地域で区切っているためです。サントリー食品インターナショナルは有価証券報告書に「飲料・食品事業という単一の事業を行っているため、報告セグメントはエリア区分により記載する」と書いています。事業の形がもっとも近い組み合わせです。
サントリーの株は買えますか?
当サイトは売買の判断を扱いません。事実として、上場しているのは飲料・食品を担うサントリー食品インターナショナルで、親会社のサントリーホールディングスは上場していません。当サイトが扱うのは前者です。
アサヒグループホールディングスに◎が付かないのはなぜですか?
飲料では米国3社と重なりますが、酒類という米国3社に無い柱を持つためです。アサヒビール、ニッカウヰスキー、エノテカがこれにあたります。事業の組み合わせが揃わないため○としました。
味の素が電子材料を作っているというのは本当ですか?
有価証券報告書の「事業の内容」に、製品区分の1つとして「ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)」が挙げられています。担当する会社として味の素ファインテクノが記載されています。売上の内訳は「ヘルスケア等」セグメントに含まれる形で開示されており、電子材料だけの金額は分かりません。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、米国3社・サントリー食品インターナショナル・アサヒグループホールディングスは12月期、味の素は3月期です。株価と時価総額はページ上部に記載した基準日の値です。
数値の基準日
- 売上高(米国企業)
- 各社の直近の通年決算(FY2025)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
- 売上高(日本企業)
- 各社の直近の通年決算(2025年12月期・2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
- 株価・時価総額
- 2026-08-15 時点
- 為替
- 1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。