自動車の米国株 — 日本企業から見る対応表

自動車は、日本の投資家にとって最も名前を知っている米国企業が多い業界です。ただし「同じ自動車メーカー」と括ると、事業の中身が思っていたより違います

このページでは、トヨタ・ホンダ・SUBARUを入口に、GM・フォード・テスラの3社を対応させて紹介します。

この業界の日本の顔ぶれ

トヨタ自動車

自動車・金融・その他の3区分で事業を運営。金融は車の販売を補完する販売金融とリース。

アメリカではゼネラルモーターズ フォード テスラ

ホンダ

二輪・四輪・金融サービス・パワープロダクツの4区分。二輪を持つ点が日米で珍しい。

アメリカではゼネラルモーターズ フォード テスラ

SUBARU

自動車と航空宇宙の2部門が柱。販売金融のセグメントを持たない。

アメリカではゼネラルモーターズ フォード テスラ

アメリカの対応企業

企業ティッカー事業売上高掲載企業内シェア時価総額対応の濃さ
フォードFord Motor CompanyF車を内燃(Ford Blue)・EV(Ford Model e)・商用(Ford Pro)の3区分に分け、販売金融のFord Creditを加えた4セグメント。29.8兆円FY2025 · 米国基準41.6%8.5兆円トヨタ自動車
ホンダ
SUBARU
ゼネラルモーターズGeneral Motors CompanyGMトラック、クロスオーバー、乗用車と部品を手がける。報告セグメントは北米・北米以外の地域2つと、販売金融のGM Financial。26.8兆円FY2025 · 米国基準37.3%12.1兆円トヨタ自動車
ホンダ
SUBARU
テスラTesla, Inc.TSLA電気自動車と、蓄電池などのエネルギー事業の2セグメント。販売店を通さず顧客に直接販売する。15.1兆円FY2025 · 米国基準21.1%215.4兆円トヨタ自動車
ホンダ
SUBARU

対応の濃さ: 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/ 部分対応(一部の事業のみ重なる)

規模の比較

日米の掲載企業の売上高の比較(円換算)トヨタ自動車2026年3月期 · IFRS50.7兆円フォードFY2025 · 米国基準29.8兆円ゼネラルモーターズFY2025 · 米国基準26.8兆円ホンダ2026年3月期 · IFRS21.8兆円テスラFY2025 · 米国基準15.1兆円SUBARU2026年3月期 · IFRS4.8兆円

日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上の表のシェアは、掲載した米国企業3社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。

日米の構造の違い

セグメントの切り方が3社とも違う

同じ「アメリカの自動車メーカー」でも、決算の区分の立て方が3社ばらばらです。

日本側はトヨタもSUBARUも自動車と非自動車で切り、ホンダは二輪と四輪で切っています。

決算を読み比べるとき、この違いが最初の壁になります。たとえばフォードのEV事業(Ford Model e)の数字は単独で見えますが、GMのEV事業は地域のセグメントに溶けていて分けて見ることができません。開示の粒度そのものが会社ごとに違うということです。

車を売る会社が、金融も持っている

トヨタ、ホンダ、GM、フォードの4社は、いずれも販売金融を独立したセグメントとして持っています。車の購入資金を自社が融資する仕組みです。

一方、SUBARUとテスラにはそのセグメントがありません。理由は同じではなく、SUBARUは規模の問題、テスラは販売の仕組みそのものが違います。

高額な商品を扱う業界で、販売と金融が一体になっている会社とそうでない会社がある。これは建設機械にも見られる構造で、日米の違いではなく会社ごとの違いです。

テスラだけ売り方が違う

テスラは10-Kで「We generally sell our products directly to customers」と書いています。販売店を介さず、自社の店舗とオンラインで直接売るという意味です。

日本のメーカーは全国の販売店網を通じて売ります。トヨタの有報にも、国内はトヨタモビリティ東京などの販売店を通じて販売すると書かれています。GMとフォードもディーラー網で売ります。

同じ台数を売っても、間に誰が入るかが違う。在庫や値引きの持ち方、修理の受け皿がどこにあるかが変わるため、決算の見え方にも効いてきます。

二輪と航空宇宙 — 米国側に対応がない事業

ホンダの二輪事業と、SUBARUの航空宇宙部門には、このページの米国3社に対応する事業がありません。

ホンダの二輪は、二輪車のほかATVやSide-by-Sideを含む区分です。SUBARUの航空宇宙は航空機と宇宙関連機器を手がけています。どちらも自動車とは別の市場です。

対応表でホンダとSUBARUの濃さが◎にならないのは、この部分が重ならないためです。

よくある質問

トヨタのアメリカ版はどこですか?

量産の完成車と販売金融という事業の柱の立て方が最も近いのはGMとフォードです。どちらも車を大量に作って売り、自社の金融部門で購入資金を融資しています。

ただし規模は違います。売上高は上の図で比べられます。またGMは報告セグメントを地域で切っており、トヨタのように自動車と金融で切ってはいません。

テスラは自動車メーカーではないのですか?

10-Kの報告セグメントは自動車とエネルギーの2つで、自動車が売上の大半を占めます。ただし販売店を通さない直販であること、販売金融のセグメントを持たないことなど、事業の運び方が他の5社と違います。対応表でテスラの濃さが△なのはそのためです。

ホンダの二輪はどのくらいの規模ですか?

このページでは事業別の内訳を米国企業についてのみ図にしています。ホンダの二輪事業の規模は、同社の有価証券報告書のセグメント情報でご確認ください。日本企業の個別ページは作らない方針のため、当サイトでは扱っていません。

数値はいつ時点のものですか?

売上高は直近の通年決算で、米国企業は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)、日本企業は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書が出典です。株価と時価総額はページ下部に記載の基準日時点のものです。

なお各社の決算期はそろっていません。GM・フォード・テスラは12月期、トヨタ・ホンダ・SUBARUは3月期です。会計基準は日本3社がIFRS、米国3社が米国基準です。売上高の範囲は完全には一致しないため、表と図には各社の期と会計基準を併記しています。

数値の基準日

売上高(米国企業)
各社の直近の通年決算(FY2025)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
売上高(日本企業)
各社の直近の通年決算(2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
株価・時価総額
2026-08-15 時点
為替
1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)

投資判断は自己責任で行ってください。

当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。