エンタメ・ゲームの米国株 — 日本企業から見る対応表
「ゲーム会社」として括られがちな6社ですが、開示資料を読むとゲームだけの会社は多くありません。
ディズニーはテーマパークなどのエクスペリエンスが売上の37.5%、ソニーグループはイメージセンサーの事業を持ち、バンダイナムコホールディングスは玩具のトイホビー事業が柱の1つです。
ゲームを主たる事業としているのは、テイクツーとロブロックス、そして任天堂です。
この業界の日本の顔ぶれ
任天堂
単一セグメント。ゲーム専用機のハードウェアとソフトウェアを自社で開発・製造・販売し、キャラクターグッズも扱う。映像コンテンツやモバイルアプリでIPを活用する事業も持つ。
ソニーグループ
ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント テクノロジー&サービス、イメージング&センシング ソリューション(イメージセンサー)などの分野を持つ。2025年10月に金融事業を分離した。
売上の内訳(2026年3月期)
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| ゲーム&ネットワークサービス | 36.9% |
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス | 17.6% |
| 音楽 | 16.9% |
| イメージング&センシング・ソリューション | 16.6% |
| 映画 | 12.0% |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は内訳の合計に占める割合で、会社が開示する区分をそのまま用いています。「その他」に当たる区分は含まれないため、合計は売上高と一致しないことがあります。
アメリカの対応企業
| 企業 | ティッカー | 事業 | 売上高 | 掲載企業内シェア | 時価総額 | 対応の濃さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ディズニーWalt Disney Co | DIS | エンターテインメント44.1%、エクスペリエンス37.5%、スポーツ18.4%の3セグメント。エンターテインメントはスポーツ以外の映画・番組制作を含む。売上高は96.3十億ドルで6社中最大。 | 15.0兆円FY2025 · 米国基準 | 89.1% | 29.4兆円 | バンダイナムコホールディングス ◎ ソニーグループ ○ 任天堂 △ |
| テイクツーTake-Two Interactive Software, Inc. | TTWO | Rockstar Games、2K、Zyngaを通じてゲームを開発・販売する。家庭用ゲーム機、スマートフォンやタブレット、パソコン向け。米国が売上の59.2%。 | 1.1兆円FY2026 · 米国基準 | 6.3% | 7.4兆円 | 任天堂 ◎ ソニーグループ ○ バンダイナムコホールディングス ○ |
| ロブロックスRoblox Corp | RBLX | 利用者が体験を作り、共有し、一緒に遊ぶプラットフォーム。米国・カナダが60.7%。発行済株式数が取得できていないため、時価総額は空欄になっている。 | 7,791億円FY2025 · 米国基準 | 4.6% | — | 任天堂 ○ ソニーグループ △ バンダイナムコホールディングス △ |
対応の濃さ:◎ 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/○ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/△ 部分対応(一部の事業のみ重なる)
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上の表のシェアは、掲載した米国企業3社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
日米の構造の違い
ゲームだけの会社は多くない
6社を並べると、事業の広がり方がかなり違います。
- ディズニー — エクスペリエンス(テーマパーク等)が37.5%。3セグメントのうち最大はエンターテインメントで44.1%
- ソニーグループ — ゲーム、音楽、映画に加えて、イメージセンサーの事業(I&SS)を持つ
- バンダイナムコホールディングス — トイホビー、デジタル、映像音楽、アミューズメントの4事業
- 任天堂 — 単一セグメント。ゲーム専用機とキャラクターグッズ
- テイクツー — ゲームの開発と販売
- ロブロックス — 利用者が作る場を提供するプラットフォーム
「エンタメ・ゲーム」という業界名でひとまとめにしていますが、同じ物を売っている会社の集まりではありません。
任天堂はハードを作り、テイクツーは作らない
任天堂は有価証券報告書で、主な製品を「ゲーム専用機」と説明し、これを「携帯ゲームやホームコンソールゲームのハードウェア及びソフトウェア」と定義しています。本体もソフトも自社で手がける会社です。
テイクツーは10-Kで、自社を「interactive entertainment(双方向の娯楽)の開発・出版・販売」と説明し、Rockstar Games、2K、Zyngaを通じて製品を出すとしています。対象は家庭用ゲーム機、スマートフォンやタブレット、パソコンで、本体は作りません。
ソフトの部分で正面から重なるため、この2社を◎としました。
ロブロックスは「作る場」を売っている
ロブロックスは10-Kで、自社を「immersive gaming and creation platform(没入型のゲームと創作のプラットフォーム)」と説明し、利用者のコミュニティを「explore, create, and share(探索し、作り、共有する)」よう招くとしています。
会社が作った作品を売るのではなく、利用者が作ったものを利用者どうしが遊ぶ場を提供する形です。他の5社と事業の性格が違うため、◎の相手を置いていません。
バンダイナムコホールディングスとディズニーは、広げ方が似ている
バンダイナムコホールディングスの4事業は、トイホビー(玩具)、デジタル(ゲーム等)、映像音楽、アミューズメント(施設)です。
ディズニーの3セグメントは、エンターテインメント(映画・番組)、スポーツ、エクスペリエンス(テーマパーク等)です。
どちらも1つの作品やキャラクターを、商品・映像・施設へ広げていく形をとっています。扱う作品は違いますが、事業の組み立て方が近いため◎としました。
ソニーグループは2025年10月に金融事業を分離した
ソニーグループの有価証券報告書には、2025年9月にソニーフィナンシャルグループ(SFGI)を東京証券取引所プライム市場に上場させ、2025年10月に金融事業のパーシャル・スピンオフを実行したと記載されています。同社が保有するSFGI株式の持分比率は16.40%となり、SFGIは連結子会社から除外され関連会社になりました。
これに伴い、金融事業は非継続事業に分類されています。当サイトが載せている売上高は、この分類を反映した有価証券報告書の経営指標等によるものです。
規模の差が大きい
売上高は会社によって20倍近い開きがあります。
- ディズニー — 96.3十億ドル
- テイクツー — 6.7十億ドル
- ロブロックス — 4.9十億ドル
表では円換算・同一基準日で並べているので、日本の3社を含めて比べられます。
よくある質問
任天堂のアメリカ版はどこですか?
ゲームのソフトという点でもっとも近いのはテイクツーです。ただし任天堂はゲーム機の本体も自社で開発・製造しており、テイクツーは本体を作りません。事業の範囲は完全には一致しません。
任天堂の売上高が前の期から大きく増えているのはなぜですか?
有価証券報告書の数値は、2025年3月期が1,164,922百万円、2026年3月期が2,313,051百万円です。当サイトは増えた理由を説明しません。 業績の説明を読んで判断したものではないためです。
なお同じ有価証券報告書のセグメント情報の注記には、当連結会計年度から製品の区分を「Nintendo Switchプラットフォーム」「その他」から「ゲーム専用機」「IP関連収入等」に変更した旨が記載されています。
ソニーグループはゲーム会社ですか?
有価証券報告書には、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント テクノロジー&サービス、イメージング&センシング ソリューション(イメージセンサー)などの分野が挙げられています。ゲームは分野の1つです。
分野ごとの売上構成は、日本企業のカードの「売上の内訳」から確認できます。有価証券報告書のセグメント情報から取得したものです。
ロブロックスの時価総額が空欄なのはなぜですか?
株価は取得できていますが、発行済株式数が取得できていないため、時価総額を計算していません。推計した数値を載せることはしない方針のため、空欄にしています。取得できしだい表示されます。
ディズニーはゲームを作っていないのですか?
ディズニーの10-Kは、事業をエンターテインメント、スポーツ、エクスペリエンスの3セグメントで説明しています。ゲームだけの内訳は開示されていないため、当サイトでは規模を示せません。開示されていないことを推測で補うことはしません。
数値はいつ時点のものですか?
決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)によります。決算期は会社ごとに異なり、ディズニーは9月末、テイクツーは3月末、ロブロックスは12月末、日本の3社は3月末です。株価と時価総額はページ上部に記載した基準日の値です。
数値の基準日
- 売上高(米国企業)
- 各社の直近の通年決算(FY2025・FY2026)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
- 売上高(日本企業)
- 各社の直近の通年決算(2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
- 株価・時価総額
- 2026-08-15 時点
- 為替
- 1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。