テレックス(TEX)はどんな会社か

日本の資料では「クレーンの会社」と紹介されることがありますが、現在のテレックスに移動式クレーンの報告セグメントはありません。FY2025の10-Kに書かれている3つのセグメントは、環境関連・マテリアル処理・高所作業車です。

過去の資料と読み比べるときは、この点に気をつけてください。タダノとの対応を考えるうえで重要な違いです。

基本情報

正式社名
Terex Corporation
ティッカー
TEX(NYSE)
業種(SEC登録)
Industrial Trucks, Tractors, Trailors & Stackers(SIC 3537)
決算期
12月期
株価
67.92 ドル(約 10,820 円)
時価総額
1.2兆円
発行済株式数
114,300,000 株
従業員数
約10,700人(うち米国 約5,700人)2025-12-31 時点

事業の中身

3つの報告セグメント

10-Kによれば、事業は3つのセグメントで報告されています。

3つの構成比は近く、どれかひとつに偏った会社ではありません。

環境関連に電力向けが入っている

Environmental Solutions は、名前から想像するごみ・リサイクルの機器だけではありません。10-Kには、環境関連の事業単位と電力向け(Utilities)の事業単位が似た経済的特性を持つため1つの報告セグメントにまとめていると書かれています。穴掘建柱車や絶縁高所作業車は電力の工事現場で使う機械です。

セグメントの名前だけでは中身が分からない例です。

高所作業車のジーニー

Aerials セグメントの製品はジーニーブランドで販売されています。高所作業台、トレーラー式の屈折ブーム、自走式の屈折・伸縮ブーム、シザーリフト、テレハンドラーなど、人と資材を高い場所へ持ち上げる機械です。

同じ市場にはオシュコシュのJLGがあります。日本ではタダノが高所作業車を手がけています。

会社の成り立ち

1986年にデラウェア州で Terex U.S.A., Inc. として設立されました。10-Kには、その後の変化の多くが買収と、中核でない事業の売却によって行われてきたと書かれています。現在の3セグメント構成も、そうした組み替えの結果です。

会社の輪郭が時期によって変わるため、古い資料の記述がそのままでは当てはまらないことがあります。

何で稼いでいるか

事業別

テレックスの事業別の売上構成
  • 高所作業車(Genie)3,282億円37.9%
  • 環境関連(ごみ収集車)2,694億円31.1%
  • 破砕・選別機械2,678億円30.9%

地域別

テレックスの地域別の売上構成
  • 北米6,242億円72.3%
  • 西欧1,182億円13.7%
  • アジア太平洋723億円8.4%
  • その他の地域489億円5.7%

FY2025の売上高の内訳です。米国SECへの提出書類(XBRL)から取得し、合計が売上高と一致することを確認しています。区分は会社が開示するものをそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。日本語の区分名は当サイトによる訳です。四捨五入と社内取引の相殺のため、内訳の合計は売上高と一致しないことがあります。

最新の決算

2026年4〜6月期10-Q 2026-07-30 提出

項目2026年4〜6月期2025年4〜6月期増減
売上高3,565億円2,369億円+50.5%
営業利益298億円206億円+45.0%
純利益175億円115億円+52.8%

米国SEC(証券取引委員会)に提出された四半期報告書(10-Q)の数値です。当サイトが原文を翻訳したものではなく、開示された数値をそのまま日本語の表に置き換えています。増減は前年の同じ四半期との比較です。円換算は表の下に記載した基準日のレートによる単純換算で、決算時点の為替とは異なります。

業績と配当の推移

売上高の推移(円換算)6,192億円FY20217,038億円FY20228,207億円FY20238,168億円FY20248,636億円FY2025
決算期売上高営業利益純利益1株あたり配当
FY20252025-12-31期末8,636億円757億円352億円
FY20242024-12-31期末8,168億円838億円534億円
FY20232023-12-31期末8,207億円1,015億円825億円
FY20222022-12-31期末7,038億円669億円478億円
FY20212021-12-31期末6,192億円523億円352億円

直近5期の通年決算です。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)。円換算は表の下に記載した基準日のレートによります。配当は実績であり、将来の配当を示すものではありません。

日本企業との違い

タダノとの重なり(対応の濃さ △)

重なるのは高所作業車の範囲だけです。

タダノの主力は移動式クレーンですが、テレックスの報告セグメントに移動式クレーンはありません。一方、テレックスのマテリアル処理機械や、ごみ収集車を含む環境関連の事業を、タダノは手がけていません。

同じ「クレーンの会社」と括ると実態を外します。移動式クレーンで正面から対応するのはマニトワックです。

コマツ・日立建機との重なり

ありません。テレックスは油圧ショベルやブルドーザーを手がけておらず、鉱山機械もありません。この2社との対応関係は業界ページの表に載せていません。

日本の企業対応の濃さ重なるところ
タダノ高所作業車の範囲でのみ重なる。テレックスは移動式クレーンを報告セグメントに持たない

対応の濃さ: 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/ 部分対応(一部の事業のみ重なる)。判定は日米双方のセグメント開示を突き合わせて行っています。

よくある質問

テレックスはクレーンの会社ではないのですか?

FY2025の10-Kに書かれている報告セグメントは、環境関連・マテリアル処理・高所作業車の3つで、移動式クレーンのセグメントはありません。高所作業車(ジーニー)は手がけています。過去の資料でクレーンメーカーとして紹介されているものを読むときは、時点の違いに注意してください。

ジーニーとテレックスは同じ会社ですか?

ジーニーはテレックスの高所作業車ブランドです。会社の正式名称は Terex Corporation で、Aerials セグメントの製品がジーニーブランドで販売されています。

環境関連のセグメントに電力向けの機械が入っているのはなぜですか?

10-Kによれば、環境関連の事業単位と電力向けの事業単位が似た経済的特性を持つため、1つの報告セグメントにまとめられています。セグメントの区切り方は会社が決めるもので、製品の分類とは必ずしも一致しません。

数値はいつ時点のものですか?

通年の決算は直近5期で、出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)です。四半期の決算は四半期報告書(10-Q)によります。株価と時価総額はページ下部に記載の基準日時点のものです。円換算は同じ基準日のレートによる単純換算で、決算時点の為替とは異なります。

数値の基準日と出典

決算
FY2025(2025-12-31 期末)
株価・時価総額
2026-08-15 時点
為替
1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)

事業内容・従業員数・販売網は FY2025 の 10-K、売上高・利益・配当・発行済株式数は同社のXBRLデータ(米国SEC)、株価と為替は Yahoo Finance によります。

投資判断は自己責任で行ってください。

当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。