IT・ソフトウェアの米国株 — 日本企業から見る対応表

米国の3社は、いずれも売上高が10兆円を超えます。日本の富士通とNECは3.5兆円前後、野村総合研究所は8,147億円です。

ただし規模だけを見ると、この6社の違いは見えません。1人当たりの売上高は、オラクルが7,590万円、アクセンチュアが1,420万円と5倍以上の開きがあります。自社のソフトウェアを売る会社と、人が現場に入ってシステムを作り運用する会社では、事業の形そのものが違うからです。

このページでは、部門の切り方・ハードウェアを持つかどうか・1人当たりの売上高という3つの軸で並べています。

この業界の日本の顔ぶれ

富士通

サービスソリューション(66.1%)・ハードウェアソリューション(26.6%)・ユビキタスソリューション(パソコン・6.6%)の3事業。2026年3月期の当期利益4,494億8百万円のうち1,439億25百万円は非継続事業(新光電気工業など)の売却によるもの。従業員99,203人。

売上の内訳(2026年3月期)
区分構成比
サービスソリューション66.1%
ハードウェアソリューション26.6%
ユビキタスソリューション6.6%
報告セグメント以外(差額)0.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は連結の売上高に占める割合です。★最後の行は当サイトが連結の売上高から報告セグメントの合計を引いて求めたものです。会社が「その他」として開示している区分にあたり、有価証券報告書のXBRLには区分としてのタグが付いていません。

くわしく富士通の決算と中長期経営ビジョン

アメリカではIBMアクセンチュアオラクル

NEC

2026年3月期から報告セグメントを作り直し、ITサービス事業(70.0%)と社会インフラ事業(26.1%)の2つになった。社会インフラには携帯電話基地局・光伝送システムのほか航空宇宙・防衛・海洋システムが含まれる。従業員101,800人。

売上の内訳(2026年3月期)
区分構成比
ITサービス事業70.0%
社会インフラ事業26.1%
報告セグメント以外(差額)3.9%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は連結の売上高に占める割合です。★最後の行は当サイトが連結の売上高から報告セグメントの合計を引いて求めたものです。会社が「その他」として開示している区分にあたり、有価証券報告書のXBRLには区分としてのタグが付いていません。

くわしくNECの決算と中期経営計画

アメリカではIBMアクセンチュアオラクル

野村総合研究所

コンサルティング・金融ITソリューション・産業ITソリューション・ITプラットフォームサービスの4部門。ハードウェアを作らない。2026年3月期は海外子会社の減損975億86百万円で営業利益が582億73百万円へ落ちた。従業員16,894人。

売上の内訳(2026年3月期)
区分構成比
金融ITソリューション49.1%
産業ITソリューション33.3%
ITプラットフォームサービス9.5%
コンサルティング7.8%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上高を取得しています。構成比は連結の売上高に占める割合です。

くわしく野村総合研究所の決算と中期経営計画

アメリカではアクセンチュアIBMオラクル

アメリカの対応企業

アクセンチュアACN

Accenture plc

報告セグメントが地域別3区分で、部門ごとの営業利益を開示していない。ハードウェアを持たず、コンサルティングとマネージドサービスがほぼ半分ずつ。従業員は約779,000人で6社の中で最も多い。売上高69.7十億ドル。

  • 売上高11.1兆円FY2025 · 米国基準
  • 掲載企業内シェア34.1%
  • 時価総額19.6兆円
対応する日本企業
  • 野村総合研究所
  • 富士通
  • NEC

IBMIBM

International Business Machines Corporation

ソフトウェア(44.4%)・コンサルティング(31.2%)・インフラストラクチャ(23.3%)・ファイナンシング(1.1%)の4部門。メインフレームIBM Zを自社で作る。売上高67.5十億ドル。損益計算書に営業利益の小計が無く、部門の合計はそのまま継続事業の税引前利益になる。

  • 売上高10.7兆円FY2025 · 米国基準
  • 掲載企業内シェア33.0%
  • 時価総額35.3兆円
対応する日本企業
  • 富士通
  • NEC
  • 野村総合研究所

オラクルORCL

Oracle Corporation

クラウド&ソフトウェア(86.9%)・サービス(8.5%)・ハードウェア(4.6%)の3部門。売上高の50.5%がクラウドで、前期から39%増えた。売上高67.4十億ドル。2026年5月期のフリーキャッシュ・フローは△237億ドル。

  • 売上高10.7兆円FY2026 · 米国基準
  • 掲載企業内シェア32.9%
  • 時価総額67.0兆円
対応する日本企業
  • 富士通
  • NEC
  • 野村総合研究所

カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。

規模の比較

日米の掲載企業の売上高の比較(円換算)アクセンチュアFY2025 · 米国基準11.1兆円IBMFY2025 · 米国基準10.7兆円オラクルFY2026 · 米国基準10.7兆円NEC2026年3月期 · IFRS3.6兆円富士通2026年3月期 · IFRS3.5兆円野村総合研究所2026年3月期 · IFRS8,147億円

日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。米ドルは基準日のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業3社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。

日米の構造の違い

1人当たりの売上高が5倍以上違う

売上高を従業員数で割ると、6社の形の違いがはっきり出ます。

いずれも当サイトの計算です。IBMは10-K本文に従業員数を記載していないため、この並びに入っていません。

オラクルは自社で作ったソフトウェアとクラウドを売る会社で、1本のソフトを何万社にも売れます。アクセンチュアは人が顧客の現場に入って働く会社で、売上は人数にほぼ比例します。同じ「IT」でも稼ぎ方が正反対です。

ハードウェアを持つ会社と持たない会社

富士通・NEC・IBMの3社は、いずれも売上の4分の1前後がハードウェアです。この3社が互いに近い形をしています。

部門の切り方が3通りある

★★アクセンチュアは部門ごとの営業利益を開示していません。10-Kのセグメントの表に載っているのは部門別の売上高・事業最適化費用・有形固定資産だけです。6社の中でこの形はアクセンチュアだけで、そのため同社の個票には「部門ごとの売上と利益」の節がありません。

部門の利益の意味が会社ごとに違う

同じ「部門の利益」という言葉でも、中身が揃っていません。

部門の利益率どうしを会社をまたいで比べることはできません。当サイトは各社のページに定義を書いています。

2026年の決算には一度きりの要因が並んでいる

当サイトはこれらの良し悪しを述べません。会社が公表した事実を並べています。

通期の見通しの示し方が日米で違う

★★そのためIBMの個票には「今期の見通し」の節がありません。NEC・オラクル・アクセンチュアの見通しの表は1行だけです。

規模の差が大きい

売上高(直近の通期・米ドルは基準日のレートで円に直したもの)は次のとおりです。

米国3社はほぼ同じ大きさ(11兆円前後)で、日本の富士通・NECはその3分の1、野村総合研究所はアクセンチュアの約13.6分の1です。

表では円換算・同一基準日で並べているので、6社を通して比べられます。

よくある質問

富士通のアメリカ版はどこですか?

IBMです。★★双方ともサービスが売上の3分の2前後、ハードウェアが4分の1前後という形で重なり、メインフレーム級のコンピュータを自社で作る点も共通します。富士通のハードウェアソリューションは26.6%、IBMのインフラストラクチャは23.3%です。★規模はIBM(約10兆7,369億円)が富士通(3兆5,030億円)の約3.1倍です。★★ただし部門の利益の定義が違います。富士通は調整後営業利益、IBMは全社費用を引く前の Segment profit です。

野村総合研究所に対応する米国企業はどこですか?

アクセンチュアです。★★双方ともコンサルティングとシステムの運用サービスが本業で、ハードウェアを作りません。規模はアクセンチュア(約11兆768億円)が野村総合研究所(8,147億円)の約13.6倍です。★★★1人当たりの売上高は逆で、野村総合研究所が約4,820万円、アクセンチュアが約1,420万円です(当サイトの計算)。★★部門の切り方も違います。野村総合研究所は顧客・マーケット別4区分、アクセンチュアは地域別3区分で、しかもアクセンチュアは部門ごとの営業利益を開示していません。

なぜIBMの個票に「今期の見通し」の節がないのですか?

★★★会社がGAAPの金額を1つも示していないためです。2026年7月22日の決算発表資料で、IBMは「通期の為替一定ベースの売上高成長率を4〜5%の範囲と見込む」「通期のフリーキャッシュ・フローは前年比で約10億ドル増えると引き続き見込む」とだけ記載しています。★★金額での売上高や利益の見通しはありません。当サイトが通期の数値を作ることはしません。

なぜアクセンチュアの個票に「部門ごとの売上と利益」の節がないのですか?

★★★会社が部門ごとの営業利益を開示していないためです。アクセンチュアの報告セグメントは南北アメリカ・欧州中東アフリカ・アジアパシフィックの3つですが、10-Kのセグメントの表に載っているのは部門別の売上高・事業最適化費用・有形固定資産だけで、営業利益は連結の102億25百万ドルしか示されていません。★★そのため当サイトは同社のページに、地域別と業種別の2つの売上の内訳を置いています。開示されていないことを推測で補うことはしません。

野村総合研究所のROEが3.5%になっているのはなぜですか?

★★★2026年3月期に海外子会社ののれん等の減損損失975億86百万円を計上したためです。会社は内訳をNRI Australia Limited 769億98百万円、Core BTS, Inc. 199億10百万円と示しています。★営業利益は前期の1,349億7百万円から582億73百万円へ、親会社の所有者に帰属する当期利益は937億62百万円から152億57百万円へ減りました。★★4期前までのROEは19.9%〜22.5%でした。★会社は中期経営計画でROE目標を25%に引き上げ、2026年度から25%水準を維持するとしています。★これは会社が公表した計画であり、当サイトの予測ではありません。

富士通の2026年3月期の当期利益が急に増えているのはなぜですか?

★★★非継続事業の売却益によるものです。親会社の所有者に帰属する当期利益4,494億8百万円のうち、継続事業からが3,054億83百万円、非継続事業からが1,439億25百万円です。★非継続事業は「デバイスソリューション」で、会社は新光電気工業・FDK・富士通オプティカルコンポーネンツの3社とその子会社だと説明しています。★★2027年3月期の会社予想では、当期利益が31.0%減る見通しです(売上収益と営業利益は増える見通し)。

6社の決算期はそろっていますか?

そろっていません。日本の3社(富士通・NEC・野村総合研究所)はいずれも3月末、IBMは12月末、アクセンチュアは8月末、オラクルは5月末です。★★そのため「直近の通期」が指す期間は会社ごとに違います。表の見出しに各社の決算期を書いています。

数値はいつ時点のものですか?

決算数値は各社の直近の年次報告書(米国は10-K、日本は有価証券報告書)と、そのあとに公表された決算発表資料によります。日本の3社は2026年3月期、IBMは2025年12月期、アクセンチュアは2025年8月期、オラクルは2026年5月期です。株価と時価総額はページ上部に記載した基準日の値で、米ドルの円換算レートも同じ基準日のものです。

数値の基準日

売上高(米国企業)
各社の直近の通年決算(FY2025・FY2026)。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)
売上高(日本企業)
各社の直近の通年決算(2026年3月期)。出典は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書
株価・時価総額
2026-08-22 時点
為替
1米ドル = 158.86円(2026-08-22 時点)

投資判断は自己責任で行ってください。

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数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。